[市況]
6日のNYSEとNASDAQは上昇したことを受け、日経平均は前日比同水準で寄りつきましたが、直ぐに下げに転じ、後場中ごろまで下落し一時200円ほど下げる場面もありましたが、結局129円安で引けました。出来高は20.3億株と低水準で、寄付き前の外人は280万株の売り越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス転換しました。個別銘柄は"売り"が有利な状況となりました。
6日の米国株式市場では、フレディマックの決算が大幅赤字になったことが金融株安に繋がり、午前中にDow平均の下げ幅は100ドル近くとなる場面もあったものの、原油在庫の増加を受けて一時117ドル台前半に下げたことや、シスコシステムズの好決算発表でハイテク株が高くなったことで株価指数は上昇しました。
7日の日本市場では、米市場高、原油安、円安と好材料がそろっていたにも関わらず前場は買いが入らず、先物主導で値をさげました。後場も米金融不安を意識した大手銀行株安もあり、積極的な買いは見送くられました。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線の下に在り、9日線と25日線を割ってしまい、短期的には"赤信号"となりました。一方、一目均衡表の雲の下にあり、総合乖離率は-11.0%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率も-6.8%とマイナス幅は拡大し、3つともマイナスですので、中期的トレンドも、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.1ポイントと変わりませんが、テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.9ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度はかなり拡大しました。
NY Dowは、上昇し、一目均衡表の雲と、75日線の下に在りますが、25日線と9日線の上に在ります。Nasdaqも一目均衡表の雲と75日線の下に在りますが、9日線と25日線の上に在り、直近高値を更新し短期上昇トレンドを確認しました。米国市場の短期トレンドは"青信号"です。しかし、中長期トレンドは、"赤信号"のままです。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は原油安とハイテク株高が金融株安に勝り、短期の上昇トレンドは維持されていますが、日本市場は怪しくなっています。米国も今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、中長期的に見ると、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。反転するにはさらなる公的資金を活用した破綻懸念の払拭策が必須と思われますが8月中は議会も夏休みの為、動きはなさそうです。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、6日は若干下落しました。(7月安値14.0ドルに対して現在19.7ドル)一方、日本企業の、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-5.9%で、予想PERは15.7となりました。
[今後の見通し]
日本市場は米国市場の上昇にも関われず下落しました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-5.1%(-690円)と割安度は大幅に増加しました。4-6月期の決算の影響で、ここ6日ほど、売られ過ぎが続いています。この乖離はSQがらみの一時的なもので、いずれ米国市場に連動し上昇すると言う読みも有りますが、ドル換算チャートでは9日線と25日線を大幅に下回り、直近の安値を更新して日経平均は実質下降トレンドに在ることを追認してしまいましたので、下落懸念も有ります。ボリンジャーバンドは狭まってきましたので、いずれ上下どちらかに大きく振れそうです。
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