[市況]
19日のNYSEとNASDAQが大幅下落したことを受けて、日経平均は前日比110円ほど安く寄り付きましたが、前場はやや戻し、後場は一段高後、小動きとなり、結局13円安で引けました。出来高は16.3億株と低水準で、寄付き前の外人は940万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅を拡大しました。個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
19日の米国株式市場では、7月の卸売物価指数が前月比1.2%上昇、コア指数も0.7%上昇と市場予想を大きく上回り、7月の住宅着工件数が前月比11%減と大幅に減少したことも嫌気され、リーマンやAIGなど金融株に格下げや業績見通しを引き下げ予想が出て、終日売りが先行しました。
20日の日本市場では、寄り付きは米株安を嫌気した売りが先行し、大手銀行やハイテク、自動車株などが軒並み安で始まったものの、徐々に値ごろ感からの買いや売り方の買い戻しが優勢となりました。後場に入ると上海株高を追い風に上げに転じましたが、上値を追う展開とはならず、その後は前日終値近辺での膠着した展開が続きました。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、9日線と25日線の下に在り、短期的には"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-15.4%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率も-7.7%とマイナス幅は変化はありませんでした。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.7ポイントに拡大しましたが、テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.7ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は縮小しました。
NY Dowは、下落し、75日線、9日線の下に在り、25日線も割りました。一目均衡表の雲の下限に沿って下落しています。Nasdaqは200日線の下で25日線の上ですが、9日線、75日線を割り、一目均衡表の雲まで下げました。米国市場の短期トレンドは"黄信号"です。中期トレンドも、引き続き"黄信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場はインフレ、住宅不況の指標が出て下落しました。短期上昇トレンドも正念場となりました。今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、中長期的に見ると、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。6月の高値を抜くには、さらなる公的資金を活用した破綻懸念の払拭策が必須と思われますが8月中は議会も夏休みの為、動きはなさそうです。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、19日は下落しました。(7月安値14.0ドルに対して現在17.2ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-5.8%で、予想PERは15.5となりました。
[今後の見通し]
日本市場は米国市場の下げの割には底堅い動きでした。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-2.4%(-330円)と割安度は縮小しました。ドル換算チャートでは25日線と9日線の下に在り、今日も直近安値を更新して、短期下降トレンドを確認しました。割安感から下げの勢いはないものの、弱い地合いが続いています。日経平均の円ベースの日足は、三角持合を下離れたものの、目先の下値もボリンジャーバンドの-2σ(12700円)に接近して反転の発射台に到達した感も有ります。そろそろ買いタイミングが近づいて来たように思いまが、外人の買い転換が必要と思います。
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