[市況]
22日のNYSEとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、日経平均は前日比120円ほど高く寄り付き、前場は上げ幅を広げ一時前日比280円ほど高くなる場面がありましたが、後場も小動きながら堅調に推移したものの引けにかけて売られ、結局212円高で引けました。出来高は13.1億株と最低水準ながら、寄付き前の外人は800万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス転換しました。個別銘柄は"買い"が有利な状況になりました。
22日の米国株式市場では、韓国産業銀行がリーマンの買収を検討していると報じられ、出資期待からリーマン株が上昇、他の金融株にも買いが広がりました。バーナンキFRB議長が講演で、商品価格の下落、ドル相場の安定と、景気減速がインフレを抑制するとの見通しを示したことで、当面の金利据え置きを示唆したと受け止められ、前日に急伸した原油が大幅に下落したこともあり、相場は上げ幅を広げました。
25日の日本市場では、前週末の米株高や原油安、円安などを好感した買いで主力株が上昇し、終日高い水準での推移が続きました。しかし、出来高は今年最低の水準が続いており、積極的な買いとは言えません。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、9日線と25日線の下に在り、短期的にはまだ"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-14.0%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率も-7.1%とマイナス幅が縮小しましたが、3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.8ポイントと変化はありませんが、テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.6ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は若干縮小しました。
NY Dowは、上昇し、75日線の下に在りますが、9日線、25日線を抜き、一目均衡表の雲の中に在ります。Nasdaqは200日線の下に在りますが、25日線と一目均衡表の雲の上在り、75日線を抜き、9日線まで上昇しました。米国市場の短期トレンドは"青信号"となりましたが、中期トレンドは、引き続き"黄信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は原油下落と金融株に好材料が出て上昇し、短期上昇トレンドは維持され、なんとか持ちこたえている感じです。しかし、今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、中長期的に見ると、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。6月の高値を抜くには、さらなる公的資金を活用した破綻懸念の払拭策が必須と思われますが8月中は議会も夏休みの為、動きはなさそうです。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、22日は上昇しました。(7月安値14.0ドルに対して現在18.1ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-5.8%で、予想PERは15.6となりました。
[今後の見通し]
日本市場は米国市場高に反応して上昇しましたが、出来高が一段と低調で様子見気分も強く、伸びませんでした。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-4.2%(-570円)と割安度は拡大しました。ドル換算チャートでは、25日線と9日線の下に在り、まだまだ短期下降トレンドが顕著です。日経平均の円ベースの日足は、ボリンジャーバンドの-2σに到達した後、外人の買い越しを伴いリバウンドしましたので、目先の上昇を期待したいところですが、この出来高の低調さが続けば、本格的な反転とは成り難いと思います。
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