日経平均の予想: <080806>日経平均の今後の見通し

Wednesday, August 06, 2008

<080806>日経平均の今後の見通し

[市況]
5日のNYSEとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、日経平均は前日比140円ほど高く寄りつき、前場後半から上昇幅を拡大し、後場にかけても堅調な展開となり、結局340円高で引けました。出来高は22.7億株と低水準ながら増加し、寄付き前の外人は9日ぶりに290万株の買い越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス転換しました。個別銘柄は"買い"が有利な状況となりました。
5日の米国株式市場では、FOMCは政策金利の据え置きを決定し、声明や表決で懸念したほどFRBの強いインフレ警戒姿勢が示されなかったと受け止められ、買いが優勢になりました。原油が大幅に下落したことも支援となり、7月の米ISM非製造業景況感指数が市場予想を上回ったことも、午前の株式相場を押し上げる要因になりました。ダウ平均は7月下旬以来の高値で、ナスダック指数は6月下旬以来の高値となりました。
6日の日本市場では、米国市場が急伸したため、トヨタやソニー、キヤノンといった輸出関連株を中心に幅広い銘柄が上昇しました。円相場が108円台と円安基調で推移したことやアジアの株式市場が堅調だったことも支援材料となったようです。

[テクニカル視点]
日経平均は、大幅上昇し、75日線の下に在りますが、9日線と25日線を抜き、短期的には"青信号"となりました。一方、一目均衡表の雲の下にあり、総合乖離率は-8.4%とマイナス幅は縮小し、200日線との乖離率も-6.0%とマイナス幅は縮小しましたが、3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの売られすぎ度は2.1ポイントと変わりませんが、テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.9ポイント下回わるレベルとなり、売られ過度は若干拡大しました。
NY Dowは、上昇し、一目均衡表の雲と、75日線の下に在りますが、25日線と9日線を上回りました。Nasdaqも一目均衡表の雲と75日線の下に在りますが、9日線と25日線を上回りました。米国市場の短期トレンドは"青信号"となり、目先の下降トレンド入りは回避されました。

[ファンダメンタル視点]
米国市場はFOMC通過で安心感がもどり、原油安をやっと評価したようです。短期の上昇トレンドは崩れませんでしたが、今後もしばらく不動産下落は続きそうですので、中長期的に見ると、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。反転するにはさらなる公的資金を活用した破綻懸念の払拭策が必須と思われますが8月中は議会も夏休みの為、動きはなさそうです。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、5日は大幅に上昇しました。(7月安値14.0ドルに対して現在19.9ドル)一方、日本企業の、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-5.8%で、予想PERは15.9となりました。

[今後の見通し]
日本市場は米国市場の大幅高に助けられて上昇しましたが、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-3.0%(-410円)と割安度は増加しています。4-6月期の決算の影響で、ここ5日ほど、売られ過ぎが続いています。ドル換算チャートでは9日線と25日線にはまだ届いていませんので、日経平均は実質下降トレンドに在り、目先の下落リスクは後退したものの、安心できる状態ではありません。今回の戻りが上値の目途であるボリンジャーバンドの+2σ(今日現在13600円)を超えられない場合は、目先は膠着状態が続きそうです。しかしボリンジャーバンドは狭まってきましたので、いずれ上下どちらかに大きく振れそうです。


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