[市況]
3月3日、NYDowとNASDAQは下落しました。3月4日の日経平均先物は、前日1150円安で寄り付くと、午前中は430円安から2170円安と下落幅を拡げ、午後は2510円安から1660円安の間で上下して、結局、1900円安で取引を終えました。日経平均の終値は2033円安の54245円で、出来高は34.43億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態ですが、売られ過ぎの水準です。
空売り比率は、5日平均を3日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
3月3日の米国市場では、イスラエルと米国によるイラン侵攻が長期化するとの懸念が投資家心理の重石となり、リスク回避目的の売りが先行しました。ただ、トランプ大統領がSNSに「ホルムズ海峡を通る船舶を米海軍が護衛する」との考えを投稿すると、原油先物相場の上昇が一服し、指数は次第に下げ幅を縮めました。結局、NYDowは3日続落し、NASDAQは反落しました。
3月4日の日本市場では、中東情勢の緊迫化やエネルギー価格の高騰に対する懸念から、主力の半導体関連株や輸出関連株を中心とした幅広い銘柄にリスク回避目的の売りが膨らみました。好業績が期待できる銘柄や、足元で軟調だったソフトウエア関連には押し目買いが入り、相場の下値を支えたものの、日経平均は大幅に3日続落し、衆院選後の上昇分は帳消しとなりました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線の下にあり、25日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。
総合乖離率は+17.3%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+17.2%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線の下にあり、25日線を下回りました。
NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中に入りました。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+15.5ポイントとプラス幅を縮め、日平均が8410円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+15.6ポイントとプラス幅を縮め、日経平均8460円ほど割高であることを示しています。
日経VIは53.05と前日より大幅に上昇し、VIXも23.57と前日より上昇しました。日経VIは50を超え、投資家の不安が恐怖の域まで高まっていることを示しています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-3.06、米国-0.50と日本が2.56ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.2、米国が+4.9)は1.7ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.86ポイント(日経平均換算で10800円)割安となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「南米や中東、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の10~12月期のGDP速報値は前期比年率1.4%増で、市場予想の2.8%増を下回りました。また、10~12月期の米企業の決算は、概ね好調です。
米国の経済指標は:
2月のISM製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、12月の耐久財受注、1月の鉱工業生産指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、12月の製造業受注、1月の消費者物価指数、12月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標は9勝3負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという点では弱気材料です。
米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.0万人増で、市場予想の5.5万人増を上回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.4%から改善されました。雇用は強気材料ですが、利下げペースが落ちるという点では弱気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
12月の新築住宅販売件数、12月の住宅着工件数、12月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、12月の中古住宅販売仮契約指数、1月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+1.4%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は3勝3負で、景気・金利の両面で中立です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、1月のFOMCでは4会合ぶりに政策金利を据え置きました。市場は、パウエル議長が在任中に追加利下げをする可能性は低いと見ています。ECBは、2月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、1月の金融政策決定会合では政策金利を0.75%に据え置きました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが19.30、PBRが1.73となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは9.0%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+0.9%で、こちらは3か月前より3.2ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落率以上に下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.4%となり、日経平均の割安幅は440円から1920円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1920円~+2670円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.94ポイントから1.94ポイントと横ばいでした。ドル円相場はもみあいました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。
3月4日の米国市場では、2月のADP雇用統計や2月のISM非製造業景況指数のほか、ブロードコムやブラウン・フォーマンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、AI関連投資やソフトウエア事業の先行きも相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを1490円ほど下回り、下値は想定ラインを1630円ほど下回りました。25日線-700円(現在55250円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-900円(現在53100円近辺)が下値の目安となります。
日経VIは、50を上回る高水準にあります。信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は大幅に3日続落し、25日線を大きく下回りました。ボリンジャーバンド-2σ(現在52053円)近辺で下げ止まれるかどうかが、目先の注目点です。
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