[市況]
2月27日、NYDowとNASDAQは下落しました。3月2日の日経平均先物は、前日1320円安で寄り付くと、午前中は1800円安から700円安と下落幅を縮め、午後は940円安から1310円安の間でもみあって、結局、1100円安で取引を終えました。日経平均の終値は793円安の58057円で、出来高は26.94億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均を5日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
2月27日の米国市場では、AI向けクラウドサービスのコアウィーブが決算発表後に大幅下落し、他のAI関連銘柄にも売りが波及しました。AI投資の収益性に対する疑問が意識された一方、AIが既存事業に置き換わるとの懸念も引き続き根強く、主力株にも売りがかさみました。中東における地政学的リスクの高まりも相場の重石となりました。結局、NYDowは4日ぶりに反落し、NASDAQは続落しました。
3月2日の日本市場では、イスラエルと米国によるイラン侵攻開始を受け、リスク回避の売りが優勢となりました。イランがホルムズ海峡を事実上封鎖したと伝わり、原油価格が上昇したことも相場の重石となりました。ただ、日本株の先高観は根強く、朝方の売りが一巡すると海外短期筋が日経平均先物に買いを入れ、指数は下げ渋りました。日経平均は5営業日ぶりに反落しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。
総合乖離率は+40.6%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+26.0%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。
NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、25日線の下にあり、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の下に出ました。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドには黄信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+24.4ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が14360円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+21.0ポイントとプラス幅を縮め、日経平均12360円ほど割高であることを示しています。
日経VIは34.99と前日より上昇し、VIXも19.86と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる目安の20を大きく上回り、30に達しています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.79、米国-0.60と日本が2.19ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.2、米国が+4.9)は1.7ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.48ポイント(日経平均換算で6430円)割安となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「南米や中東、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の10~12月期のGDP速報値は前期比年率1.4%増で、市場予想の2.8%増を下回りました。また、10~12月期の米企業の決算は、概ね好調です。
米国の経済指標は:
2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、12月の耐久財受注、1月の鉱工業生産指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月のISM非製造業景況指数、1月のISM製造業景況指数、1月のシカゴ購買部協会景気指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、12月の製造業受注、1月の消費者物価指数、12月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標は9勝3負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという点では弱気材料です。
米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.0万人増で、市場予想の5.5万人増を上回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.4%から改善されました。雇用は強気材料ですが、利下げペースが落ちるという点では弱気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
12月の新築住宅販売件数、12月の住宅着工件数、12月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、12月の中古住宅販売仮契約指数、1月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+1.4%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は3勝3負で、景気・金利の両面で中立です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、1月のFOMCでは4会合ぶりに政策金利を据え置きました。市場は、パウエル議長が在任中に追加利下げをする可能性は低いと見ています。ECBは、2月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、1月の金融政策決定会合では政策金利を0.75%に据え置きました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが20.64、PBRが1.85となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは9.0%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+0.9%で、こちらは3か月前より3.2ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前週末のNYDowの下落と歩調を合わせて下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.9%となり、日経平均の割高幅は2670円から1630円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+1630円~+3270円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.90ポイントから1.90ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円安方向に推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。
3月2日の米国市場では、2月のISM製造業景況指数のほか、ノルウェー・クルーズ・ライン・ホールディングスなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、AI関連投資やソフトウエア事業の先行きも相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを1130円ほど下回り、下値は想定ラインを750円ほど下回りました。目先はボリンジャーバンド+1σ+700円(現在58540円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-700円(現在57140円近辺)が下値の目安となります。
日経VIは、20を大きく上回る高水準にあります。信用の売り圧力は、強まりました。きょうの日経平均は下げ渋り、テクニカル的には上昇トレンドは維持されていますが、米国市場の動き次第では、トレンドの変化もありそうです。
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