[市況]
12月24日、NYDowとNASDAQは上昇しました。12月25日の日経平均先物は、前日比160円高で寄り付くと、午前中は180円高から180円安と下落に転じ、午後は160円安から90円高とプラス圏に戻して、結局、80円高で取引を終えました。日経平均の終値は93円高の39130円で、出来高は17.69億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均を4日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
12月24日の米国市場では、クリスマス・イブで短縮取引とあって新たな取引材料が限られるなか、ハイテクや景気敏感株の一角に買いが入り、指数を押し上げました。薄商いで値動きが大きくなりやすく、NYDowは取引終了にかけて上昇幅を拡げました。NYDowは4日続伸し、NASADAQも3日続伸しました。
12月25日の日本市場では、前日の米株高を受けて買いが先行しましたが、買い一巡後は持ち高調整の売りや戻り待ちの売りが出て、指数の重石となりました。午後も日本株の上値の重さを意識した展開が続きましたが、引けにかけては押し目買いの勢いが増しました。結局、日経平均は小幅に反発しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線の下にありますが、25日線の上にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。
総合乖離率は+3.2%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+1.2%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。
NYDowは、25日線の下にありますが、200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の中にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-12.2ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が4770円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-5.0ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1960円ほど割安であることを示しています。
日経VIは21.21と前日より低下し、VIXも14.27と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-5.3、米国-0.0と日本が5.3ポイント割安ですが、OECDの2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)は1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.21ポイント(日経平均換算で77980円)割安となっています。
市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の7~9月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、7~9月期の米企業の決算は、まちまちです。
経済指標を見てみます。
11の耐久財受注、11月の小売売上高、12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM製造業景況指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。また、10月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、11月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月の鉱工業生産指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、11月の消費者物価指数、11月のISM非製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は6勝6負で、景気・金利の両面で中立です。
米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.7万人増で、市場予想の21.4万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です。
米国の住宅関連の指標を見てみます。
11月の中古住宅販売件数、10月の中古住宅販売仮契約指数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、11月の住宅着工件数、11月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。9月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.6%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は3勝3負で、景気・金利の両面で中立です。
欧米日の金融政策をまとめてみます。
FRBは12月のFOMCで0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが15.81、PBRが1.43となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.1%で、こちらは3か月前より0.2ポイント悪化しています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.5%となり、日経平均は150円の割高から190円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-190円~+1180円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、3.53ポイントから3.54ポイントに拡大しました。ドル円相場はもみあいました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。
12月25日の米国はクリスマスの祝日で、株式市場は休場です。
きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを250円ほど下回り、下値は想定ラインを260円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在39530円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ+200円(現在38670円近辺)が下値の目安となります。
日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は小幅に反発しました。海外勢が休暇中のため、目立った材料が出ない限りは、日本市場も薄商いで小動きの展開が続きそうです。
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