日経平均の予想: [2023/12/17]今後の日経平均の見通し

Monday, December 16, 2024

[2023/12/17]今後の日経平均の見通し

[市況]

1216NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました1217日の日経平均先物は、前日比170円高で寄り付くと、午前中は320円高から30円高と上昇幅を縮め、午後は110円高から120円安と下落に転じて、結局、60円安で取引を終えました。日経平均の終値は92円安の39364円で、出来高は18.93億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。

 

1216日の米国市場では、トランプ次期大統領が薬価交渉を担う薬剤給付管理(PBM)に対する批判的な発言をしたと伝わり、ユナイテッドヘルス・グループなど関連株に売りが出ました。一方、ビットコインが再び過去最高値を更新したことが追い風となり、アルファベットやマイクロン・テクノロジーなど、ハイテク株の一角には買いが向かいました。結局、NYDow8日続落しました。NASDAQは続伸し、過去最高値を更新しました。

1217日の日本市場では、前日の米ハイテク株高や円相場の下落を受け、主力株の一角に買いが先行しました。また、米国で大規模な投資を実行すると発表したソフトバンクグループが大幅に上昇し、指数を支えました。ただ、買い一巡後は戻り待ちの売りなどがかさんだうえ、値がさ株のアドテストが大幅安となったことも重石となり、結局、日経平均は3日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+5.4%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+1.7%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-13.2ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が5200円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-5.8ポイントと前日比横ばいで、日経平均が2280円ほど割安であることを示しています

 

日経VI21.15と前日より上昇し、VIX14.69と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態です。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.3、米国-0.1と日本が5.2ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.09ポイント(日経平均換算で71830円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM製造業景況指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、10月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、10月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、11月の消費者物価指数、11月のISM非製造業景況指数、10月の耐久財受注、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が拡がるという面では強気材料です。

 

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.7万人増で、市場予想の21.4万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

10月の中古住宅販売件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、10月の新築住宅販売件数、10月の住宅着工件数、8月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。9月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.6%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が拡がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB11月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.80PBR1.44となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.4ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.3%で、こちらは3か月前と同水準です。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.7%となり、日経平均の割高幅は740円から670円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+670円~+1130円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.33ポイントから3.33ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

1217日の米国市場では、11月の小売売上高などが注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを70円ほど下回り、下値は想定ラインを340円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-100円(現在39770円近辺)が上値の目安に、25日線+100円(現在38930円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にありますが、低下傾向にあります。また、信用の売り圧力は、かなり弱い状態です。日経平均は3日続落しました。FOMCと日銀の金融政策決定会合の結果が判明するまでは、想定レンジ内での調整が続きそうです。



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