日経平均の予想: [2023/12/20]今後の日経平均の見通し

Friday, December 20, 2024

[2023/12/20]今後の日経平均の見通し

[市況]

1219NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました1220日の日経平均先物は、前日比10円安で寄り付くと、午前中は10円安から290円安の間で上下し、午後は110円安から390円安と下落幅を拡げて、結局、370円安で取引を終えました。日経平均の終値は111円安の38701円で、出来高は27.19億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

1219日の米国市場では、前日の急激な株安の反動で、主力株の一角に自律反発を期待した買いが先行しました。しかし、長期金利の上昇が重石となり、朝方の買い一巡後は上値の重い展開となりました。前日に決算を発表したマイクロン・テクノロジーが大幅安となり、他の半導体株に売りが波及したことも重石となりました。結局、NYDow11営業日ぶりに小幅に反発し、NASDAQ3日続落しまた。

1220日の日本市場では、外国為替市場の円安ドル高進行を受け、外需関連株に買いが向かいました。日銀の追加利上げ観測が後退したことを受け、不動産株も目立って上昇しました。一方、米株価指数先物の下落を受けて半導体関連の一角が売られたことや、金利の先高観が後退したことを受けて銀行株が売られたことは指数の重石となりました。結局、日経平均は6日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は+0.2%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+0.0%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。NASDAQも、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-10.1ポイントとマイナス幅をやや拡げ、日経平均が3910円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-4.0ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1550円ほど割安であることを示しています

 

日経VI23.68と前日より上昇し、VIX24.09と前日より低下しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.4、米国-0.1と日本が5.3ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.35ポイント(日経平均換算で82030円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率2.8%増で、速報値の2.8%%増と一致しました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

11月の小売売上高、12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM製造業景況指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。また、10月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月の鉱工業生産指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、11月の消費者物価指数、11月のISM非製造業景況指数、10月の耐久財受注、10月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が拡がるという面では強気材料です。

 

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.7万人増で、市場予想の21.4万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

11月の中古住宅販売件数、10月の中古住宅販売仮契約指数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、11月の住宅着工件数、10月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。9月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.6%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しましたが、2025年の利下げ回数は前回会合で示された4回から2回に半減しました。ECBは、3会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を3.0%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.63PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.0%で、こちらは3か月前より0.6ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.8%となり、日経平均の割高幅は1180円から310円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+310円~+1180円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.47ポイントから3.52ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均も、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

1220日の米国市場では、11月の個人消費支出およびPCEデフレータが注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを230円ほど下回り、下値は想定ラインを370円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-200円(現在39170円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-100円(現在38240円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。一方、信用の売り圧力は弱まりました。日経平均は6日続落しました。引き続き、円安で底堅い展開が続きそうですが、米国株の軟調な展開がいつまで続くかに依存する相場となりそうです。



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