日経平均の予想: <20090826>日経平均の今後の見通し

Wednesday, August 26, 2009

<20090826>日経平均の今後の見通し

[市況]
25日のNY DowとNASDAQが上昇したことを受けて、26日の日経平均先物は、前日比50円安で寄り付きました。前場に20円高まで上げ幅を縮める場面もありましたが、後場にかけて堅調な展開となり、一時前日比180円高まで買われましたが、最終的に前日比140円安で終わりました。日経平均は142円高で引け、出来高は19.9億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は770万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。

25日の米国市場では、バーナンキFRB議長の再任や6月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数が前月比で2ヶ月連続上昇したことを受け、朝方から買いが先行しました。8月の消費者信頼感指数が前月から改善したこともあり、NY Dowは一時110ドルほど上昇しましたが、その後は原油が下落に転じると、伸び悩む展開となりました。
26日の日本市場では、米経済指標の改善による米国市場の上昇に加え、上海市場の上昇を好感し日経平均は先物主導で年初来高値を更新して上昇しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。一方、日経平均の総合乖離率は+31.1%となり、プラス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+19.8%となり、プラス幅は拡大しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスです。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。日本市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期的トレンドも、青信号が点灯しています。
NY Dowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、2.5ポイント割安にある状態となり、日米市場のテクニカル面の割安幅は縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタルには、日本市場が0.2ポイント割高となっています。
市場は現在、「実体経済の見通し」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米企業の4-6月決算は順調で、住宅関連指数はさらに底打ち感が顕著になってきました。4-6月期の米GDPや8月の景気指数も大幅に改善しています。7月の雇用統計も改善しました。しかし、消費関連経済指標は相変わらず景気の弱さを示しています。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。しかし、主要金融機関の4-6月期業績は概ね順調で、FRBも当面低金利政策維持の方向ですので、ひとまず、9月中旬までは問題の再燃はなさそうです。しかし、米地銀の不良債権問題はくすぶっています。ノンバンクのCITの破綻は当面回避され、ニューヨーク連銀に対して、資本や流動性管理の改善のための計画を提出することで合意するなど、よい方向が見えてきましたが、今後も行方を見守る必要がありそうです。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は25日、下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在4.75ドル)半値戻しを達成しています。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは41.2となりました。PBRは1.36となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの上昇率以上に上げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.0%(100円の割高)となっており、日経平均のプレミアムはプラスとなりました。プレミアム値は、ここ1週間は、-160円~-+140円の間で推移しています。日経平均は、NY Dowより上振れする動きになってきました。
日・米市場の短期トレンドは青信号です。NY Dowは住宅価格指数が予想以上となり年初来高値更新となりました。さらに、上海市場の上昇が、今日の日本市場に好影響し年初来高値更新となりました。今夜の米国市場では7月の耐久財受注、新築住宅販売件数の発表が注目されます。とりわけ耐久財受注は景気先行指標ですので注目度は高そうです。25日移動平均乖離率はNY Dowは3.1%,Nasdaqは2.0%,日経平均は3.1%と過熱感は有りませんので、経済指標が予想以上となり、上海市場が落ち着けば、上昇余地は有りあそうです。


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