日経平均の予想: <20090825>日経平均の今後の見通し

Tuesday, August 25, 2009

<20090825>日経平均の今後の見通し

[市況]
24日のNY Dowは上昇しNASDAQが下落したことを受けて、25日の日経平均先物は、前日比40円安で寄り付きました。前場に20円高となる場面もありましたが、その後は軟調な展開となり、最終的に前日比50円安で終わりました。日経平均は83円安で引け、出来高は18.5億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は1070万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、買いが有利な状態です。

24日の米国市場では、アジア・欧州株高から高く始まりました。原油が続伸し石油株が買われ、根強い景気回復期待から景気敏感株なども買われました。ただ、米地銀大手経営幹部の先行き見通しに慎重な発言から金融株に売りが出て相場の上昇にブレーキをかけました。
25日の日本市場では、前日の大幅な上昇の反動と米国市場の冴えない動きから前場は小安く推移しました。後場も円が93円台後半まで円高となったことや、上海や香港などアジアの株式相場の下落もあり、利益確定売りが優勢でした。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。一方、日経平均の総合乖離率は+27.4%となり、プラス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+18.4%となり、プラス幅は縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つともプラスです。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の上に在ります。日本市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期的トレンドも、青信号が点灯しています。
NY Dowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、3.7ポイント割安にある状態となり、日米市場のテクニカル面の割安幅は拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタルには、日本市場が0.2ポイント割高となっています。
市場は現在、「実体経済の見通し」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米企業の4-6月決算は順調で、住宅関連指数にも底打ち感が顕著になってきました。4-6月期の米GDPや8月の景気指数も大幅に改善しています。7月の雇用統計も改善しました。しかし、消費関連経済指標は相変わらず景気の弱さを示しています。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。しかし、主要金融機関の4-6月期業績は概ね順調で、FRBも当面低金利政策維持の方向ですので、ひとまず、9月中旬までは問題の再燃はなさそうです。しかし、米地銀の不良債権問題はくすぶっています。ノンバンクのCITの破綻は当面回避され、ニューヨーク連銀に対して、資本や流動性管理の改善のための計画を提出することで合意するなど、よい方向が見えてきましたが、今後も行方を見守る必要がありそうです。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用を含む不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は24日、上昇しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在4.82ドル)半値戻しを達成しています。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは40.6となりました。PBRは1.34となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円高も重なりNY Dowの上昇にも関わらず下げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.0%(0円の割安)となっており、日経平均のプレミアムは無くなりました。プレミアム値は、ここ1週間は、-160円~-+160円の間で推移しています。日経平均は、NY Dowと連動した動きになっています。
日・米市場の短期トレンドは青信号ですが、上海市場が大きく下落したことが、今日の日本市場には影響したようで年初来高値更新とはなりませんでしたが、過度な反応はしなくなってきたようです。NY Dowは5連騰後の十字線とテクニカルには一服する可能性を示していますので、今夜の米国市場のS&P/ケースシラー住宅価格指数や消費者信頼感指数の発表内容が予想どおりでも一服する可能性が高そうです。日経平均も、上海市場を横目で見ながら、米国市場に連動した動きになりそうです。


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