[市況]
17日のNY DowとNASDAQが下落したことを受けて、日経平均先物は前日比110円安で寄り付きましたが、直ぐに上昇に転じ、前場に100円高となる場面がありましたが、後場にかけて下降気味に推移し、結局10円高で引けました。日経平均は54円高でした。寄付き前の外人は1720万株の売り越しで、出来高は19.2億株と低水準となり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅が縮小しました。個別銘柄は"買い"が有利な状況ですが、ピークアウト感も出て来ました。
17日の米国株式市場では、9-11月期決算で赤字幅が市場予想を上回ったモルガン・スタンレーなど金融株や、CEOの健康問題からアップルが大幅安になるなど、売りが先行しましたが、売り一巡後は下げ渋り、その後、金融株の一角、小売株や住宅株に買いが入ったものの、取引終了間際に幅広い業種に再び売りが出て、やや下げ幅を拡大して終了しました。
18日の日本市場では、円が13年ぶりに87円台となり、今期業績予想のさらなる下方修正懸念から、朝方は輸出関連株中心に売られましたが、その後は日銀による利下げ期待もあり、改めて売り込む動きは限られ、次第に買い戻しが増えました。後場は小動きでした。
[テクニカル視点]
日経平均は上昇し、75日線の下に在りますが、9日線、25日線の上に在りますので、短期トレンドは"青信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-34.0%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率は-27.7%とマイナス幅が縮小しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により、日本市場が0.2ポイントと割高となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.3ポイント下回るレベルとなり、割安幅は縮小しました。
NY Dowは、上昇し、75日線、一目均衡表の雲の下に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。Nasdaqも、75日線、一目均衡表の雲の下に在りますが、25日線、9日線の上に在りますので、米国市場の短期トレンドは、"青信号"ですが、中期トレンドは、引き続き"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は昨日の反動と投資銀行の赤字決算などで下落しました。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、法案は廃案となったものの政府の支援表明で一旦落着いたようです。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、米投資銀行の赤字決算発表があったものの、影響は軽微のようです。市場は、ここからは、ビッグ3支援の行方と日銀の利下げに関心が向くようです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、17日は下落しました。(11月の年初来安値4.7ドルに対して現在7.8ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-34.7%で、予想PERは14.8、PBRは0.98となりました。PBRが再び1.0を下回っていますので、長期投資の視点では買い場と思われます。
[今後の見通し]
日経平均は、米国市場安の中、プレミアム値が高レベルでかつ、円高にも拘らず上昇しました。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較た場合の日経平均のプレミアムは+7.5%(580円の割高)とプラス幅が拡大しました。プレミアム値はここ1週間は+150~+670の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線の上で、一目均衡表の雲の上限と75日線の上に抜け、比較的強い動きが続いています。日経平均プレミアムは7日連続で高レベルを維持し、今日も増加しました。円高抵抗力が出てきたと考えて良さそうです。テクニカルには好調を維持していますが、そろそろ、ボリンジャーバンドの+2σ(8850円近辺)に近づけば、一旦は下落の可能性が高そうです。
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