[市況]
25日のNY DowとNASDAQは休場でした。日経平均先物は前日同値で寄り付き、後場寄付きにかけて100円高まで上昇し、その後はやや値を崩した後、小動きとなりましたが、引け際に上昇し結局70円高で引けました。日経平均は140円高でした。寄付き前の外人は130万株の売り越しで、出来高は11.3億株と低水準となりました。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス転換し、個別銘柄は"買い"が有利な状況です。
25日の米国株式市場は、休場でした。
26日の日本市場では、海外投資家がクリスマス休暇で不在となる中、消費者物価指数や失業率は予想の範囲内で、11月の鉱工業生産は市場予想を超える悪化となったものの、市場への影響は限られました。朝方から先物主導の相場上昇となり、年金や投資信託の買いや年末のお化粧買い観測もあったようです。
[テクニカル視点]
日経平均は上昇し、75日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在りますので、短期トレンドは"青信号"です。一方、5ヶ月ぶりに一目均衡表の雲の中に入りました。総合乖離率は-29.1%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率は-26.4%とマイナス幅が縮小しましたが、2つともマイナス幅は大きく、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により、日本市場が0.6ポイントと割高となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.0ポイント上回るレベルとなり、割高度は増加しました。
NY Dowは、上昇しましたが、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqは、75日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在り、25日線の上に在りますので、米国市場の短期トレンドは、"黄信号"ですが、中期トレンドは、引き続き"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
日本市場は米国市場が休みと云う事もあり、年末のお化粧買いで上昇しました。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、政府の支援内容は繋ぎ策のみで、判断は次期政権に持ち越されました。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、来月の米主要銀行の決算発表に関心が移るものと思われます。市場は、閑散相場の中、環境関連などの材料銘柄にのみ関心が向いているようです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドの売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、24日は上昇しました。(11月の年初来安値4.7ドルに対して現在6.8ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-40.7%で、予想PERは16.4、PBRは0.99となりました。PBRが再び1.0を下回っていますので、長期投資の視点では買い場と思われます。
[今後の見通し]
日経平均は、閑散相場の中、上昇しました。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較た場合の日経平均のプレミアムは+6.6%(540円の割高)とプラス幅が増加しました。プレミアム値はここ1週間は+390~+660の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線の上に在り、9日線と75日線を抜き、一目均衡表の雲の上限に接近してきました。日経平均は、海外投資家が休みの中、高プレミアムで推移していますが、年初の外人投資家の売りに注意が必要です。株券電子化に伴う一部銘柄の売買停止が影響し、年末までの小動きが続きそうですが、一目均衡表の雲の中に入りましたので、年内は雲の中での動きが想定されます。
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