[ファンダメンタルの現状認識]
米政府によるビッグ3支援内容が発表されたものの、市場評価はキビシく、ビッグ3の経営環境は流動的であることに変わりはなく、景気の急激な後退も明白ですが、今週はクリスマス休暇入りで売り材料も乏しく、閑散相場となりそうです。中長期的に、世界同時不況と、不動産価格の下げ傾向に変化は見られません。そのような中で、2009年のGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は-0.2ポイントとなりました。先週と比べ0.2ポイント割高度が拡大しました。200日線乖離率差では、1.3ポイント割安となり、先週比2.0ポイント割安度が縮小しました。日本市場は円高が進んだものの、米国市場と比べ、売られ過ぎの状態はなくなりつつあります。
[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2009年GDP予測値(現在-0.1%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週の米国市場はFRBのゼロ金利政策発表で上昇したものの、週末にかけて押し戻されました。
②第三四半期決算発表の結果、日経225採用銘柄の今期予想増益率は世界景気の下ぶれにより7月中旬の-2.3%から-36.4%の減益予想に悪化しました。先週から、さらに悪化しました。
③長期金利は米国で大きく下がり、日米の金利差は1.2%から0.9%となり、為替は89-87円台と円高方向で推移しました。今週も同水準が予想されます。
④11月初旬に、OECDによる日米の2009年のGDP伸び率予測値が修正され日本が-0.1%%となり、米国は-0.9%となりましたので、この面では日本市場にとって0.8ポイント強気材料となりました。
⑤外人は12月2週は売り越しでしたが、12月3週も売り越だった可能性が高く、今週も売り越しが予想されます。
5つのポイントのうち先週は①がやや強き材料でしたが②③が弱気材料でした。今週も①の米国市場動向と為替がキーポイントと思われます。
[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、一目均衡表では、雲の下に在り、200日移動平均線乖離率は-28.2%となり先週と比較してマイナス幅は3.7ポイント縮小し、総合乖離率は-35.9%となりマイナス幅は14.1ポイント縮小しましたが、3つともマイナスですので中期上昇トレンドは、"赤信号"のままです。日経平均は9日線、25日線の上に在りますので短期的には"青信号"です。米国市場はNY Dowは25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。,Nasdaqは25日線、9日線の上に在りますが、短期的には"黄信号"です。
[今週の見通し]
今週はファンダメンタル面では景気悪化はかなり織り込まれたようですし、日銀の金利引下げにより、過度な円高はなさそうですので、商いが薄い中での底堅い動きが予想されます。テクニカル面では、日経平均は25日線の上で推移していますので、下値は25日線(8350円)が下値を支え、ボリンジャーバンド2σ(8900円)が上値を押さえそうです。
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