[市況]
26日のNY DowとNASDAQが上昇しましたが、日経平均先物は10円安で寄り付きましたが、その後は+40円~-90円幅のボックス相場となり、結局10円高で引けました。日経平均は7円高でした。寄付き前の外人は40万株の買い越しながら、出来高は12.4億株と低水準で、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅が拡大し、個別銘柄は"買い"が有利な状況です。
26日の米国株式市場は、GMACの銀行持ち株会社化をFRBが承認したことが好感されてGM株が12%上昇したことや、原油が急反発したこともNY Dowを押し上げる要因となりました。しかし、クリスマスの小売売上高が低調な結果だったことから、個人消費の先行き警戒感がでて、上値は重かったようです。
29日の日本市場では、朝方は主力株に戻り待ちの売りが出ましたが、経営統合が伝わった三井住友海上やあいおい損保、ニッセイ同和をはじめ、業界再編の思惑から損害保険株が買われ、原油が上昇し、鉱業株や商社株も物色されました。ただ上値は重く、方向感に乏しい展開でした。
[テクニカル視点]
日経平均は上昇し、75日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在りますので、短期トレンドは"青信号"です。一方、一目均衡表の雲の中に有り、総合乖離率は-28.8%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率は-26.2%とマイナス幅が縮小しました。2つがマイナスとなりましたので、中期的トレンドは、"黄信号"となりました。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により、日本市場が0.8ポイントと割高となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.8ポイント上回るレベルとなり、割高度は若干減少しました。
NY Dowは、上昇しましたが、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqは、75日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在り、25日線の上に在りますので、米国市場の短期トレンドは、"黄信号"ですが、中期トレンドは、引き続き"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
日本市場は中東情勢や年末まど手仕舞い売りが出易い中底堅い動きでした。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、政府の支援内容は繋ぎ策のみで、判断は次期政権に持ち越されました。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、来月の米主要銀行の決算発表に関心が移るものと思われます。市場は、閑散相場の中、中東情勢、環境関連などの材料銘柄に関心が向いているようです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドの売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、26日は下落しました。(11月の年初来安値4.7ドルに対して現在6.7ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-40.7%で、予想PERは16.4、PBRは0.99となりました。PBRが再び1.0を下回っていますので、長期投資の視点では買い場と思われます。
[今後の見通し]
日経平均は、手仕舞い売りが出易い中、底堅い動きでした。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較た場合の日経平均のプレミアムは+6.0%(490円の割高)とプラス幅が減少しました。プレミアム値はここ1週間は+390~+580の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線の上に在り、9日線と75日線を抜き、一目均衡表の雲の上に頭がでました。比較的堅調に推移しています。日経平均は、海外投資家が休みの中、高プレミアムで推移していますが、年初の外人投資家の売りに注意が必要です。株券電子化に伴う一部銘柄の売買停止が影響し、明日も小動きが続きそうです。
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