日経平均の予想: <20081219>日経平均の今後の見通し

Friday, December 19, 2008

<20081219>日経平均の今後の見通し

[市況]
18日のNY DowとNASDAQは大幅下落しましたが、日経平均先物は前日比同値で寄り付きました。終日-80円から+130円の範囲で上下し、結局60円安で引けました。日経平均は78円安でした。寄付き前の外人は20万株の売り越しで、出来高は19.1億株と低水準となり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅が縮小しました。個別銘柄は"買い"が有利な状況ですが、ピークアウト感も出て来ました。
18日の米国株式市場では、原油が1バレル36ドルと約4年半ぶりの水準に下落し、石油株が売られ、GEとGEキャピタルの格付け見通しを引き下げたことや、クレジットカードの規制強化発表などで金融株全般が売られNY Dowは大幅に下落しました。
19日の日本市場では、週末で飛び石連休を控え、米国市場安やビッグスリーの救済問題がヤマ場などの状況から、幅広い銘柄で手じまい売りが優勢でした。日銀が午後に政策金利の0.2%引き下げや国債やCP買取など追加金融緩和を発表し、直後に日経平均は上げに転じたものの、買いは不動産や銀行など内需株の一部にとどまり、相場全体への影響は限定的でした。

[テクニカル視点]
日経平均は下落し、75日線の下に在りますが、9日線、25日線の上に在りますので、短期トレンドは"青信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-35.9%とマイナス幅が拡大し、200日線との乖離率は-28.2%とマイナス幅が拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により、日本市場が0.3ポイントと割高となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.7ポイント下回るレベルとなり、割安幅は縮小しました。
NY Dowは、下落し、75日線、一目均衡表の雲の下に在りますが、25日線の上に在り、9日線を割りました。Nasdaqは、75日線、一目均衡表の雲の下に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。米国市場の短期トレンドは、"黄信号"となりましたが、中期トレンドは、引き続き"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
米国市場は原油安と金融株安などで下落しました。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、政府の支援内容の詰めはヤマ場を迎えたようです。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、米投資銀行の赤字決算発表があったものの、影響は軽微のようです。市場は、ここからは、ビッグ3支援の行方と日銀の利下げ後の為替動向に関心が向くようです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、18日も下落しました。(11月の年初来安値4.7ドルに対して現在7.4ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-34.7%で、予想PERは15.0、PBRは0.97となりました。PBRが再び1.0を下回っていますので、長期投資の視点では買い場と思われます。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場安の中、プレミアム値が高レベルですが、円が安く推移したことで、さほど下落しますんでした。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較た場合の日経平均のプレミアムは+7.1%(560円の割高)とプラス幅が若干縮小しました。プレミアム値はここ1週間は+170~+750の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線の上で、75日線を割り、一目均衡表の雲の上限を割り中に入りました。しかし、比較的強い動きが続いています。日経平均プレミアムは8日連続で高レベルを維持し、今日も増加しました。円高抵抗力が出てきたと考えて良さそうです。ここからは、25日線(8330円近辺)を下限とし、ボリンジャーバンドの+2σ(8900円近辺)を上限としたボックス相場が想定されます。


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