[市況]
4日のNYSEとNASDAQは休場でしが、日経平均は20円ほど安く寄りつき前場は小動きでしたが後場に上昇し、結局122円高で引けました。外人は490万株の売り越しで、出来高は17.7億株と低水準でしたが、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が縮小し、個別銘柄はまだ"売り"が有利な状況ですがボトムアウト感が出てきました。
4日の米国株式市場は、独立記念日で休場でした。7日の日本市場では、朝方は欧州株式相場が金融株主導で下落したことを嫌気した売りで、小安い水準で揉みあっていましたが、後場はアジアの株式相場が総じて堅調に推移していることや朝方に比べ円相場が下落していることが買い安心感につながって輸出株が買われ、株価指数は上昇しました。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の中に在り、総合乖離率は-13.8%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率は-7.7%とマイナス幅は縮小しました。3つの内2つがマイナスですので、中期的トレンドは、引き続き"黄信号"です。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.9ポイントと変化はありませんが、テクニカルから見た割安・割高度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.4ポイント上回わるレベルとなり、割高となってきました。
NY Dowは、一目均衡表の雲の下に在り、さらに、75日線、25日線、9日線の下でも在ります。終値では上昇したものの、ザラ場では年初来の安値更新となっています。年初の下げ幅をあてはめると11090ドル近辺が当面の下げの目安となりまが、そろそろ下げ止まりポイントに近づいてきたと思われます。Nasdaqも一目均衡表の雲の下に抜け、9日線、25日線、75日線の下で、今日も直近の安値更新となってしまいました。日経平均は9日線、25日線、75日線の下に在り、一目均衡表の雲の中ですが、今日は下限ラインに沿って上昇しました。週末に13500以上をキープ出来れば雲を下回ることはありませんので、注目したいと思います。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は休場でしたが、原油先物は落着いた動きでした。株価指数はテクニカルな視点で目先のリバウンドも近そうですが、今後もしばらく不動産下落も続きそうですので、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。反転するには公的資金を活用した破綻懸念の払拭が必須と思われますが、現在のところ、まだ対策が出ていません。7月に主要銀行の決算発表時を控えていますので、疑心暗鬼が続いています。しかし、逆に有効な対策がでると、金融株の急騰も有り得ます。そろそろ、対策が出ても良い時期ではないかと思います。ここからは、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、年初来安値を更新しています。(3月安値18.6ドルに対して現在16.8ドル)一方、日本企業の3月期決算発表は終わりましたが、今日現在の日経平均の今期予想増益率は-2.3%で、予想PERは15.8となりました。
[今後の見通し]
今日は、円安に素直に反応して日経平均は上昇しましたが、終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは約+1.0%(130円)と前日と変化はありません。ドル換算チャートでは一目均衡表の雲の下に抜けて11日経過し、雲の中に戻れず、下離れ、雲の下限の5ドル(540円)下にありますので、中期的な低迷も危惧されます。しかし、今日の上げで円ベースの日経平均の一目均衡表の雲の下限に沿ってリバウンドする可能性が高まりました。9日線を抜けば目先は上昇に転じたと考えて良いと思います。
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