[市況]
21日のNYSEとNASDAQが小幅下落しましたが、日経平均は前日比140円ほど高く寄りつきました。その後、前場はやや軟調な展開でしたが、後場は一段高となり、結局381円高で引けました。出来高は18.5億株と低水準ながら、外人は410万株の買い越しとなり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅はほぼ変わらずでした。個別銘柄は"売り"が有利な状況ですが、ボトムアウト感があります。
21日の米国株式市場では、バンク・オブ・アメリカが早朝発表した決算が市場予想ほど悪化せず、金融株を中心に買いが先行したものの、目先の過熱感や、治療療薬の効果に関連し決算公表を延期したことで一部製薬会社が売られたことなど、さらに、原油上昇などを受けてやや売りが優勢となったようです。
22日の日本市場では、米市場が比較的落ち着きを見せたことで上昇して始まったものの、アジア市場やGLOBEXで米株価指数が軟調に推移していることや、中堅不動産の破綻不安もあり、上値の重い展開でしたが、東証の先物システムの障害が回復した後に債権買い、株価指数売りの裁定ポジション解消が大量にあったようで、先物主導で一段高となりました。
[テクニカル視点]
日経平均は上昇し、9日線を抜き、短期上昇確認とはなりました。一目均衡表では雲の下に抜け、総合乖離率は-13.3%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率も-8.0%とマイナス幅が縮小しましたが、3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は2.1ポイントに減少し、テクニカルから見た割安・割高度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.1ポイント下回わるレベルとなり、割安度はなくなりました。
NY Dowは、一目均衡表の雲の下に在り、さらに、75日線、25日線、下でも在りますが、21日の高値で25日線に到達し、その後に一服しました。まだ9日線の上にありますので、短期上昇が期待できます。Nasdaqも一目均衡表の雲の下に抜け、25日線、75日線の下ですが、まだ9日線の上にありますので、短期上昇が期待できます。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は銀行の決算は好感しているものの、その他はまちまちです。まだ短期上昇余地はあると思われますが、今後もしばらく不動産下落も続きそうですので、中長期的に見ると、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。反転するには公的資金を活用した破綻懸念の払拭が必須と思われます。第一弾の対策が出ましたが、不足のようです。投資家はまだ疑心暗鬼と思われます。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、21日も上昇しました。(3月安値18.6ドルに対して現在19.7ドル)一方、日本企業の、今日現在の日経平均の今期予想増益率は-2.3%で、予想PERは15.4となりました。
[今後の見通し]
日本市場は米国市場の落ち着きから、ここ数日の出遅れもあり大幅に上昇しました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-1.1%(-160円)と大幅に割安感は減少しました。やっと米国市場に鞘寄せしたようです。ドル換算チャートでも9日線を大きく抜き短期上昇確認となりました。しかし、一目均衡表の雲のかなり下に在りますので、中期的には依然として低迷が危惧されます。目先の日経平均は少なくとも25日線まで(明日は13350円)は上昇しそうです。
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