[市況]
10日のNYSEとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均は前日と同水準で寄りつきましたが、前場は軟調な展開で150円安もありましたが、後場は上昇に転じ100円高もありましたが、結局27円安で引けました。外人は780万株の売り越しで、出来高は23.1億株とSQで増加したものの低水準で、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が縮小しましたが、個別銘柄は"売り"が有利な状況ですが安値更新銘柄数は減少しボトムアウト感がでてきました。
10日の米国株式市場は、財務悪化への警戒感からファニーメイやフレディマックが大幅安。バーナンキFRB議長とポールソン財務長官が議会証言で、金融システム危機対策としてFRBの監視権限強化などを議会に提唱したものの金融株は下落。原油高も有り株価指数はマイナスとなる場面もあったものの、押し目買いとM&Aニュース(ダウ・ケミカルがローム・アンド・ハースを150億ドル超で買収すると発表)が株価指数を押し上げました。
11日の日本市場では、外人の売り越し傾向が続いていることや、円が106円台後半とやや円高に振れていることが重しになり前場は軟調な展開でした。後場に「米連邦住宅抵当会社の国有化が検討されている」との米紙報道をきっかけに、金融システム安定化への期待が高まり上昇に転じましたが、週末でポジション調整もでて小反落で終わりました。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の下に抜け、総合乖離率は-19.1%とマイナス幅が若干拡大し、200日線との乖離率も-9.6%とマイナス幅は若干拡大しまし、3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"となりました。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.9ポイントと変化はありませんが、テクニカルから見た割安・割高度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.2ポイント下回わるレベルとなり、若干割安となりました。
NY Dowは、一目均衡表の雲の下に在り、さらに、75日線、25日線、9日線の下でも在ります。上昇したものの安値更新となり、勢いは感じられません。200日との乖離率はNasdaqも一目均衡表の雲の下に抜け、9日線、25日線、75日線の下で、9日線を抜くことはできませんでしたが、安値更新とはなりませんでした。日経平均は9日線、25日線、75日線の下に在り、今日も一目均衡表の雲の中に戻れず逆に雲とは離れつつあります。数日内にもどれないと、中期的に下降トレンド入りを覚悟しなければなりません。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は原油高と金融不安よりM&Aニュースが勝ったようです。株価指数はテクニカルな視点で目先のリバウンドは近そうですが、今後もしばらく不動産下落も続きそうですので、中長期的には、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。反転するには公的資金を活用した破綻懸念の払拭が必須と思われますが、現在のところ、まだ対策が出ていません。来週に主要銀行の第一四半期の決算発表時を控えていますので、疑心暗鬼が続いています。しかし、逆に有効な対策がでると、金融株の急騰も有り得ます。そろそろ、対策が出ても良い時期ではないかと思いまが、やっとその気配が出てきたようです。ここからは、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、安値更新寸前まで下げています。(3月安値18.6ドルに対して現在16.3ドル)一方、日本企業の3月期決算発表は終わりましたが、今日現在の日経平均の今期予想増益率は-2.2%で、予想PERは15.7となりました。
[今後の見通し]
今日は、米連邦住宅抵当会社の国有化と言う材料がでましたが、米国市場の反応を見たいと云う結果になりました。終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは約-0.3%(-50円)と若干割安となりました。ドル換算チャートでは一目均衡表の雲の下に抜けて、3月の安値を割り2月の安値に並びました、中期的な低迷も危惧されます。円ベースの日経平均は売られすぎ感はあるものの、今日も冴えず、一目均衡表の雲の下限に沿ってリバウンドするシナリオは急反発しないと困難になってきましたが、今日のニュースが米国市場反転に繋がらないと、9日線を抜いて短期的な上昇転換を確認することは難しそうです。
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