[市況]
29日のNYSEとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、日経平均は前日比100円ほど高く寄りつき、前場は一時210円ほど高くなる場面がありましたが、後場は小動きで推移し、結局208円高で引けました。出来高は17.3億株と低水準で、寄付き前の外人は360万株の売り越しとなりましたが、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス転換し、個別銘柄は"買い"が有利な状況となりました。
29日の米国株式市場では、7月の消費者信頼感指数が51.9に上昇し、市場予想の51を上回ったことを受け、株価指数は上昇しました。原油が反落し、一時は120ドル台と5月6日以来の安値を付け、株価の支援材料となりました。メリルリンチがサブプライムローン関連資産の大規模な処理を発表したことも、好材料と受け止められたようです。
30日の日本市場では、米市場の大幅な反発や為替が円安ぎみに推移していることから、不動産や小売りなどを中心に幅広い銘柄の買いを誘ったようです。4-6月期の決算発表が本格化する中で、松下など好業績銘柄が物色された。半面、ソニーなど下方修正した銘柄には売りが出て、選別色は強まっているようです。
[テクニカル視点]
日経平均は、75日線と一目均衡表の雲の下ですが、9日線の上に在り、今日は、25日線を抜きました。総合乖離率は-7.4%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率も-5.9%とマイナス幅が縮小しましたが、3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は2.1ポイントと変化はありませんが、テクニカルから見た割安・割高度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.1ポイント上回わるレベルで、連動した動きになっています。
NY Dowは、上昇しましたが、一目均衡表の雲と、75日線の下に在ります、25日線は抜きましたが9日線は抜けませんでした。Nasdaqは一目均衡表の雲と75日線の下に在りますが、25日線と9日線を共に抜きました。米国市場の目先の下落リスクは弱まりました。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は原油安とメリルの資産処理を好感して大幅に上昇しました。金融不安は払拭できていないものの、短期的には上昇余地はあると思われますが、今後もしばらく不動産下落も続きそうですので、中長期的に見ると、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。反転するにはさらなる公的資金を活用した破綻懸念の払拭策が必須と思われます。第二弾の対策が出ましたので市場の評価を見守る必要がありそうです。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、29日は上昇しました。(7月安値14.0ドルに対して現在18.4ドル)一方、日本企業の、今日現在の日経平均の今期予想増益率は-5.0%に悪化し、予想PERは15.9となりました。
[今後の見通し]
日本市場の出来高は少なく、4-6月決算の様子見気分が強いものの、米国市場につれて上昇しました。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-0.6%(-110円)となり若干割安です。ドル換算チャートでは9日線までは上昇しましたが、25日線には届きませんでした、正念場は一旦は脱したものの、下落リスクはまだあります。しかし、ボリンジャーバンドの+2σまでの短期的な上昇の可能性も残されていると思います。
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