[市況]
7日のNYSEとNASDAQが下落したことを受けて、日経平均は70円ほど安く寄りつき、その後も終日下落基調で、結局326円安で引けました。外人は750万株の売り越しで、出来高は19.5億株と低水準で、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況ですが安値更新銘柄数は500程度と増えておらずボトムアウト感があります。
7日の米国株式市場は、朝方はドルが堅調に推移したことや、原油が大幅安となったことを好感して、株価指数は上昇して始り、GMの追加リストラ策や、マイクロソフトが再交渉に関心を示したヤフーが上昇したことも株価の支援材料となったものの、サンフランシスコ連銀のイエレン総裁が講演で、金融市場が一段と悪化する可能性を指摘する一方、インフレ警戒感を示したと伝わったことが嫌気され。フレディマックやファニーメイが急落するなど、金融株の下げがきつくなり、株価指数は下げに転じました。8日の日本市場では、米国市場が下落した流れを受けて、前場から売りが優勢となり、アジア株安やGLOBEXで米株価指数が軟調なこともあり、後場も一段安となりました。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の下に抜け、総合乖離率は-20.5%とマイナス幅が拡大し、200日線との乖離率は-9.9%とマイナス幅は拡大しました。3つともマイナスになってしまいましたので、中期的トレンドは、"赤信号"となりました。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は1.9ポイントと変化はありませんが、テクニカルから見た割安・割高度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.3ポイント上回わるレベルとなり、割高感もなくなってきました。
NY Dowは、一目均衡表の雲の下に在り、さらに、75日線、25日線、9日線の下でも在ります。ザラ場では連日年初来の安値更新となっています。年初の下げ幅をあてはめると11090ドル近辺が当面の下げの目安となりまが、そろそろ下げ止まりポイントに近づいてきたと思われます。Nasdaqも一目均衡表の雲の下に抜け、9日線、25日線、75日線の下で、ザラ場では直近の安値更新となってしまいました。日経平均は9日線、25日線、75日線の下に在り、抵抗ラインと見られてきた一目均衡表の雲の下限の下に出てしまいました。数日内にもどれないと、中期的に下降トレンド入りを覚悟しなければなりません。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は金融不安で下落しました。株価指数はテクニカルな視点で目先のリバウンドも近そうですが、今後もしばらく不動産下落も続きそうですので、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。反転するには公的資金を活用した破綻懸念の払拭が必須と思われますが、現在のところ、まだ対策が出ていません。来週に主要銀行の第一四半期の決算発表時を控えていますので、疑心暗鬼が続いています。しかし、逆に有効な対策がでると、金融株の急騰も有り得ます。そろそろ、対策が出ても良い時期ではないかと思います。ここからは、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、年初来安値を更新しています。(3月安値18.6ドルに対して現在16.4ドル)一方、日本企業の3月期決算発表は終わりましたが、今日現在の日経平均の今期予想増益率は-2.3%で、予想PERは15.6となりました。
[今後の見通し]
今日の日経平均は思いのほか下げ、終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは約-0.7%(-110円)と売られすぎとなりました。ドル換算チャートでは一目均衡表の雲の下に抜けて、3月の安値に接近し、中期的な低迷も危惧されます。今日の下げで9日線抜けず短期的上昇転換は遠くなり、円ベースの日経平均の一目均衡表の雲の下限に沿ってリバウンドするシナリオは怪しくなってきました。短期的なボトムは少し延びそうです。
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