[市況]
14日のNYSEとNASDAQが下落したことを受けて、日経平均は前日比130円ほど安く寄りつき、前場は150円ほど安い水準で推移していましたが、後場は一段安となり、結局255円安で引けました。外人は100万株の売り越しで、出来高は19.2億株と低水準で、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が大幅に拡大し、ボトムアウト感はなくなり、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
14日の米国株式市場は、米政府やFRBが米政府系住宅金融会社への支援策を好感し、フレディマックやファニーメイを含む金融株に買い戻しが先行したものの、買いは続かず、資金繰り悪化の思惑が出たナショナル・シティや、アナリストが投資判断を引き下げたザイオン・バンコープなど地方銀行株を中心に売りが膨らみ、住宅ローン関連の業務の不振が引き続き地銀の業績を押し下げるとの見方が強まり金融株の下げが目立ちました。
15日の日本市場では、米国市場の下落にともない外国人などによる売りが膨らみ、大手銀行など金融株が下落し、米景気減速を背景にした販売不振への懸念や円高に振れたこともあり、自動車やハイテクなど輸出関連株も総じて安くなり、日経平均を大きく引き下げました。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の下に抜け、総合乖離率は-24.4%とマイナス幅が拡大し、200日線との乖離率も-11.3%とマイナス幅は拡大しました。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は2.0ポイントと拡大し、テクニカルから見た割安・割高度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.3ポイント下回わるレベルとなり、若干割安となりました。ここのところ米国市場にほぼ連動した動きとなっています。
NY Dowは、一目均衡表の雲の下に在り、さらに、75日線、25日線、9日線の下でも在ります。先週末は下落したものの安値更新とはなりませんでした。200日との乖離率は13.3%と拡大し下げ過ぎを示しています。Nasdaqも一目均衡表の雲の下に抜け、9日線、25日線、75日線の下で、昨日は下げたものの、安値更新となりませんでした。3月の安値はまだ割っていません。日経平均は直近の安値を更新し、9日線、25日線、75日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に抜け雲とは大きく離れつつあります。短期間に戻れそうになく中期的に下降トレンド入りの可能性大となりました。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は住宅公社資本注入のニュースだけでは反転しませんでした。現在のリスクは流動性リスクではなく支払い力不足であることが明確になったようです。株価指数はテクニカルな視点で目先のリバウンドはあっても良い時期ですが、今後もしばらく不動産下落も続きそうですので、中長期的には、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。反転するには公的資金を活用した破綻懸念の払拭が必須と思われます。第一弾の対策が出ましたが、不足のようです。今週から主要銀行の第一四半期の決算発表がありますので、様子見気分も有りそうです。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、14日も安値更新しています。(3月安値18.6ドルに対して現在15.2ドル)一方、日本企業の3月期決算発表は終わりましたが、今日現在の日経平均の今期予想増益率は-2.3%で、予想PERは15.5となりました。
[今後の見通し]
米連邦住宅抵当会社の国有化と言う材料では下落の歯止めにはなりませんでした。その結果、終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは約-0.1%(-10円)とほぼ無くなりました。ドル換算チャートでは安値更新とはなりませんでしたが、一目均衡表の雲の下に抜けて、3月の安値を割り2月の安値に並んだ格好ですので、引き続き中期的な低迷が危惧されます。円ベースの日経平均は売られすぎ感はあるものの、なかなか反転とはなりません。米銀行の決算発表が終わるまでは、9日線を抜いて短期的な上昇転換を確認することは難しそうです。
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