[市況]
16日のNYSEとNASDAQが大幅上昇したことを受けて、日経平均は前日比130円ほど高く寄りつきましたが、その後は小動きで推移し、結局127円高で引けました。出来高は16.8億株と低水準ながら、外人は10万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が大幅に縮小しました。個別銘柄は"売り"が有利な状況ですが再びボトムアウト感がでてきました。
16日の米国株式市場では、6月の米消費者物価指数の上昇率は前月比1.1%、市場予想の0.7%を上回わり朝方は株価の上値を抑える場面もありましたが、決算が市場予想を上回ったウェルズ・ファーゴが朝から急伸したことがファニーメイやフレディマック、バンク・オブ・アメリカなど金融株全般に買いが波及しS&P500種金融株価指数は、12%高で過去最大の上げとなりました。好業績のインテルの上昇が他の半導体やハイテク株のつれ高を誘いました。週間在庫統計で原油やガソリン在庫が前の週から増加したことを受け、原油が前日に続いて急落したことを受け、株価は上げ幅を拡大しました。
17日の日本市場では、米市場の上昇を受けた買い戻しが優勢となりました。金融株や不動産株など、金融不安を背景に売り込まれていた株が上昇しましたが、海外金融機関の4-6月期の決算内容を見極めたいとして見送り気分も強く、朝高後は小幅な値動きに終始しました。
[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の下に抜け、総合乖離率は-20.6%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率も-10.2%とマイナス幅が縮小しましたが。3つともマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は2.0ポイントで変化無く、テクニカルから見た割安・割高度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.2ポイント下回わるレベルとなり、割安度は増しましたが、ここのところ米国市場にほぼ連動した動きとなっています。
NY Dowは、一目均衡表の雲の下に在り、さらに、75日線、25日線、下でも在りますが、16日の上昇で9日線を抜き、一応、短期上昇確認となりました。しかし、中期的には依然として下降トレンド入りの可能性大です。Nasdaqも一目均衡表の雲の下に抜け、25日線、75日線の下ですが、9日線を抜きましたので、短期上昇が期待できます。日経平均も今日は上昇しましたが、9日線は抜けませんでしたので短期上昇確認とはなりませんでした。25日線、75日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に抜け雲とは大きく離れつつありますので、中期的に下降トレンド入りの可能性大です。
[ファンダメンタル視点]
米国市場は原油安と銀行の決算を好感し大幅上昇しました。株価指数はテクニカルな視点で目先のリバウンドはあっても良い時期でしたので、やっとリバウンドしてくれたと言う感じですが、今後もしばらく不動産下落も続きそうですので、中長期的に見ると、金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。反転するには公的資金を活用した破綻懸念の払拭が必須と思われます。第一弾の対策が出ましたが、不足のようです。今週から主要銀行の第一四半期の決算発表がありますので、投資家はまだ疑心暗鬼と思われます。ここからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、16日は反発しました。(3月安値18.6ドルに対して現在16.5ドル)一方、日本企業の、今日現在の日経平均の今期予想増益率は-2.3%で、予想PERは15.4となりました。
[今後の見通し]
日本市場には様子見気分も強く、すでにプレミアムがあったので米市場ほどは上昇しませんでした。その結果、ドルベースの終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは+0.0%(+0円)とプレミアムは無くなりました。ドル換算チャートでは一目均衡表の雲の下に抜けて、2月の安値に並んだ格好のまま下げ渋っており、今日は9日線を抜きましたので短期的上昇が期待できる状態になりました。しかし、中期的には低迷が危惧されます。円ベースの日経平均も反転の兆しが見えてきました。原油と米銀行の決算発表次第では短期上昇の可能性が出てきたと思われます。
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