日経平均の予想: [2010/05/10]日経平均の今後の見通し

Monday, May 10, 2010

[2010/05/10]日経平均の今後の見通し

[市況]
7日の、NYDowとNASDAQは下落しました。10日の日経平均先物は、前日比20円安で寄り付きましが、前場は買い戻す展開となりました。後場は膠着した動きでしたが買い戻す動きが継続しました。最終的に250円高で終わりました。日経平均は166円高で引け、出来高は24.4億株に減少しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、250万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態ながらボトムアウト感があります。
7日の米国市場では、朝方発表の4月の米雇用統計で雇用者数は29万人と市場予想以上に増えましたが、市場の不安心理が強いため相場を押し上げるには至りませんでした。ギリシャなど欧州諸国の財政不安を背景に、投資家がリスクを回避するため株式を売却する動きが続きました。前日の急落の原因がはっきりしないことも、下げ止まらないことの一因との見方もありました。
10日の日本市場では、EUがユーロ圏諸国の緊急支援基金の設立で合意したとの発表を受け、欧州の信用不安の後退を受けた買いが朝方から優勢となりました。日銀の2兆円の資金供給オペ実施に加え、米ドルスワップ協定の再締結に関して臨時の金融政策決定会合を開催することも追い風となり、前場中ごろには10500円まで上げ幅を拡大させました。後場は、今後の動向を見極めたいとする模様眺め気分が上値を押さえましたが、大引けにかけても堅調推移が持続しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-4.0%とマイナス幅を縮めました。200日線との乖離率は+2.0%とプラス幅を拡げました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。1つの要素がプラスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の下に在ります。
NYDowは200日線の上に在りますが、75日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に抜けました。NASDAQは、200日線の上に在りますが、75日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に抜けました。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.4ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は4.0ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が2.1ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の1月~3月期のGDPは予想どおりの伸びでしたが、米企業の1月-3月期決算発表は、概ね好調でした。経済指標では、4月の連銀製造業景況感指数、4月の景気指数、消費者信頼感指数、4月のISM製造・非製造業景況感指数、小売売上高は市場予想を上回りましたが、4月の消費者態度指数、3月の鉱工業生産指数は低下しました。4月の失業率は9.9%と増加したものの、雇用者数が29万人増と事前予想より多くなり2月連続で改善傾向を示しました。一方、住宅関連では、3月の新築一戸建て販売件数が前月比26.9%の大幅増となり、市場予想を大幅に上回り、3月の住宅着工件数も3ヶ月連続で改善しました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数も改善傾向でした。3・4月の景気指標は改善傾向ながら、消費者マインドは横ばいのままのようです。中国の不動産高騰に伴う金融引き締めや元の切上げ観測の影響も、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の好決算が相次ぎ、資本不足問題は、一旦解消したものの、変って、ギリシャを初めとするEU各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生み、新たな金融不安が生じています。EU各国は緊急支援基金の設立で合意しましたが、これで、沈静化するかどうかは不透明です。さらに、英国・米国のソブリン・リスク問題も議論され始め、長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関の株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は7日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.00ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが24.9、PBRが1.33、ROEが5.4%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、先週末の米国市場が下落したにも関わらず上昇しました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.8%%となり、日経平均は190円の割高で、割高幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-400円~+200円の間で推移しています。日本市場は、今夜の米国市場での上昇を先取りして上昇しました。今夜の米国市場では、注目される経済指標の発表はなさそうですので、一連の欧州のソブリン・ショック対策の市場評価が注目されます。対策が出た割には日本市場の反発力は弱いようです。米国市場の異常な急落の原因がはっきりしないことがまだ影響しているように思われます。本格的な反転の為にはこの原因がはっきりすることが必要なようです。今夜の米国市場の動きが注目されますが、今日の日経平均はNYDowが200ドル程度上昇することは織り込み済みであると考えられます。


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