日経平均の予想: [2010/04/28]日経平均の今後の見通し

Wednesday, April 28, 2010

[2010/04/28]日経平均の今後の見通し

[市況]
27日、NYDowとNASDAQは大幅下落昇しました。28日の日経平均先物は、前日比310円安で寄り付きました。前場はその水準で小動きでしたが引け際に若干戻す動きとなりました。後場寄り付きは戻す動きが継続し、一時230円安となる場面がありましたが、その後は徐々に下げ、最終的に270円安で終わりました。日経平均は287円安で引け、出来高は24.8億株と増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、330万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス転換しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
27日の米国市場では、S&Pがギリシャとポルトガルの格下げを発表したため、欧州諸国の信用不安が再燃、投資家のリスク許容度が低下し、株を売る動きが加速しました。「金融」や「素材」「消費関連」など業績が景気の影響を受けやすい業種の下げが目立ちました。4月の消費者信頼感指数が予想以上に改善しましたが、相場への影響は限定的でした。
28日の日本市場では、日経平均株価が大幅反落しました。欧州信用不安の再燃を背景とする欧米市場の下落に加え、円高推移が重しとなり、朝方から国際優良銘柄を中心に全面安の展開となりました。日経平均株価の下げ幅は一時300円を超えました。後場に入ると下げ渋る場面もありましたが、11000円手前では再び売り圧力が強まりました。FOMCの結果公表や欧米株市場の動向を見極めたいとの雰囲気が根強く、大引けにかけては下値圏で膠着感の強い動きでした。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から赤信号に変りました。総合乖離率は+6.8%とプラス幅は縮まりました。200日線との乖離率は+6.1%とプラス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線の上に在りますが、25日線、9日線を下回りました。一目均衡表の雲の上に在ります。
NYDowは200日線、75日線の上に在りますが、25日線、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変りました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.5ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は0.3ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が2.0ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の10月~12月期のGDPは予想以上の伸びでしたが、米企業の1月-3月期決算発表が始まり、今のところ、概ね好調です。経済指標では、4月の連銀製造業景況感指数、4月の景気指数、消費者信頼感指数、3月のISM製造・非製造業景況感指数、小売売上高は市場予想を上回りましたが、資本財は増えたものの、3月の耐久財受注額は市場予想に反して減少しました。また、4月の消費者態度指数、3月の鉱工業生産指数は低下しました。3月の失業率は9.7%と変らなかったものの、雇用者数が16.3万人増と事前予想よりは少なかったものの改善傾向を示しました。一方、住宅関連では、3月の新築一戸建て販売件数が前月比26.9%の大幅増となり、市場予想を大幅に上回り、3月の住宅着工件数も3ヶ月連続で改善しました。3・4月の景気指標は改善傾向ながら、雇用と消費者マインドは横ばいのままのようです。中国の金融引き締めと元の切上げ観測の影響も、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の好決算が相次ぎ、資本不足は解消し、一旦、金融は正常化したように見えますが、変って、各国の財政赤字拡大が経済運営上のリスクとなりつつあります。ギリシャや財政赤字国の債務不履行懸念問題は対策案が発表され、EUが支援する方向となっていますが、まだ、解決したとは言えません。さらに、英国・米国のソブリン・リスク問題も議論され始め、長期金利への影響が懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。
全世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に変りつつあります。為替は、金利差の変動に大きく左右されています。
世界景気は底を打ったように見えますが、消費の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2011年まで続くと言われる米国の商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は27日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.34ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが30.6、PBRが1.40、ROEが4.6%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の大幅下落に連動して下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.6%%となり、日経平均は180円の割安で、割安幅は縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、-460円~-140円の間で推移しています。日本市場は、米国市場より弱い相場が続いていますが、改善しつつあります。今夜の米国市場では、住宅ローン申請指数、FOMC金利誘導目標やダウ・ケミカル、コーニングなどの決算発表が注目されそうです。ギリシャ支援が決まった後にS&Pがギリシャとポルトガルを格下げしたことで、ショックが大きかったようです。今夜の欧米市場の動きが注目されます。このショックが一過性で、円安方向に戻れば、本格化した日本企業の3月期決算発表が支援材料となり日経平均はリバウンドすると思われますが、ギリシャ問題がまだリスク要因であることが、再確認されたと考えておいた方がよさそうです。加えて、米国の金融規制法案の行方と上海市場の低迷もリスク要因として残っています。増益基調の企業業績と改善傾向の経済指標と云う好材料との間で、暫く綱引きとなりそうです。


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