日経平均の予想: [2010/04/26]日経平均の今後の見通し

Monday, April 26, 2010

[2010/04/26]日経平均の今後の見通し

[市況]
23日、NYDowとNASDAQは上昇しました。26日の日経平均先物は、前日比100円高で寄り付きました。前場は220円高まで上昇した後は高値もみ合いとなりました。後場も揉み合いが続き、最終的に210円高で終わりました。日経平均は251円高で引け、出来高は20.8億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、450万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
23日の米国市場では、3月の新築一戸建て販売件数が前月比26.9%の大幅増となり、市場予想を大幅に上回ったことや、3月の耐久財受注額が市場予想に反して減少したものの資本財が4.0%増えたことで、景気の回復に対する期待を背景に買いが優勢となりました。ギリシャがEUやIMFに資金支援を要請したことで、投資家のリスク許容度減少懸念が後退したことも支えになりました。また、製薬大手メルクが米医療保険改革法が収益に与える影響を発表し、過度の警戒感が和らいだことも安心材料となりました。
26日の日本市場では、日経平均が3日ぶりに反発しました。ギリシャ支援による前週末の欧米市場の上昇や、円高一服も好材料となり、朝方から買いが優勢となりました。中国による新たな景気刺激策が伝わったことも支援材料となり、寄り後も上げ幅を拡大させました。後場はアジア市場の上昇も支援材料となり、大引けは上げ幅250円超の高値引けとなりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から青信号に変りました。総合乖離率は+14.0%とプラス幅は拡がりました。200日線との乖離率は+8.5%とプラス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線の上に在りますが、9日線、25日線の下に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。
NYDowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.1ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は1.6ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が2.1ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の10月~12月期のGDPは予想以上の伸びでしたが、米企業の1月-3月期決算発表が始まり、今のところ、概ね好調です。経済指標では、4月の連銀製造業景況感指数、4月の景気指数、3月のISM製造・非製造業景況感指数、消費者信頼感指数、小売売上高や2月の個人消費支出は市場予想を上回りましたが、資本財は増えたものの、3月の耐久財受注額は市場予想に反して減少しました。また、4月の消費者態度指数、3月の鉱工業生産指数は低下しました。3月の失業率は9.7%と変らなかったものの、雇用者数が16.3万人増と事前予想よりは少なかったものの改善傾向を示しました。一方、住宅関連では、3月の新築一戸建て販売件数が前月比26.9%の大幅増となり、市場予想を大幅に上回り、3月の住宅着工件数も3ヶ月連続で改善しました。1月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で下落しましたが、市場予想より小幅でした。3・4月の景気指標は改善傾向ながら、雇用と消費者マインドは横ばいのままのようです。中国の金融引き締めと元の切上げ観測の影響も、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の好決算が相次ぎ、資本不足は解消し、一旦、金融は正常化したように見えますが、変って、各国の財政赤字拡大が経済運営上のリスクとなりつつあります。ギリシャや財政赤字国の債務不履行懸念問題は対策案が発表され、EUが支援する方向となっていますが、まだ、解決したとは言えません。さらに、英国・米国のソブリン・リスク問題も議論され始め、長期金利への影響が懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。
全世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に変りつつあります。為替は、金利差の変動に大きく左右されています。
世界景気は底を打ったように見えますが、消費の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2011年まで続くと言われる米国の商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は23日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.86ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが32.6、PBRが1.44、ROEが4.4%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、先週末の米国市場の上昇率以上に上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.7%%となり、日経平均は310円の割安で、割安幅は縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、-460円~-210円の間で推移しています。日本市場は、米国市場より弱い相場が続いていますが、若干改善しました。今夜の米国市場では、4月のダラス連銀製造業活動指数やテキサス・インスツルメンツ、キャタピラーなどの決算発表が注目されそうです。前週末の欧米市場でギリシャ支援が決まったことを好感して上昇したことで、目先のリスクファクターが1つ無くなり、日本市場の警戒感が後退しました。4月21日の高値と25日線を上回ったことから、流れが変わったと見て良さそうです。今週から始まる3月期決算発表は支援材料となりそうですので、円安傾向が続けば、今日の上昇傾向はしばらく継続しそうです。


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