日経平均の予想: [2010/04/23]日経平均の今後の見通し

Friday, April 23, 2010

[2010/04/23]日経平均の今後の見通し

[市況]
22日、NYDowとNASDAQは小幅上昇しました。23日の日経平均先物は、前日比30円安で寄り付きました。前場は20円高まで上昇した後は徐々に値を下げる展開となりました。後場の開始後に90円安まで下げた後は小動きでしたが、引けにかけて値をもどし、最終的に前日同値で終わりました。日経平均は34円安で引け、出来高は20.0億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、680万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
22日の米国市場では、EU統計局が09年のギリシャの財政赤字を拡大修正し、ムーディーズがギリシャ国債の格付けを引き下げたこともあり、ユーロが対ドルで急落しました。投資家のリスク強要度の低下が懸念されて、NYDowも100ドルほど下げる場面がありました。午後に、オバマ大統領が金融規制改革について演説しましたが、予想されていたほど規制厳格化に積極的でなかったと受け止められ、金融株が下げ幅を縮小すると、ハイテク株や素材株などにも押し目買いが入り、ダウ平均は引け間際に上げに転じました。
23日の日本市場では、朝方は売り先行後に切り返す場面もみられましたが、引き続きギリシャ財政問題が警戒され、5日移動平均線近辺では上値の重さが意識されました。前引けにかけて下げ幅が拡大し、後場はアジア市場の軟調推移も重なり、一時は前日安値近辺まで売られる場面もありました。ただ、下値では企業業績の上ブレ期待から押し目買いが入り、大引けにかけては膠着感が強まりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は+7.1%とプラス幅は縮まりした。200日線との乖離率は+6.1%とプラス幅が縮まりした。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線の上に在りますが、9日線、25日線の下に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。
NYDowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が8.7ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は0.4ポイント拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が2.1ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の10月~12月期のGDPは予想以上の伸びでしたが、米企業の1月-3月期決算発表が始まり、今のところ、概ね好調です。経済指標では、4月の連銀製造業景況感指数、4月の景気指数、3月のISM製造・非製造業景況感指数、消費者信頼感指数、小売売上高や2月の個人消費支出は市場予想を上回りましたが、4月の消費者態度指数、3月の鉱工業生産指数、2月の卸売物価指数は低下しました。3月の失業率は9.7%と変らなかったものの、雇用者数が16.3万人増と事前予想よりは少なかったものの改善傾向を示しました。一方、住宅関連では、2月の仮契約住宅販売指数も予想以上で、3月の住宅着工件数も3ヶ月連続で改善しました。1月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で下落しましたが、市場予想より小幅でした。ただ、2月の新築一戸建て住宅販売件数は4ヶ月連続減少し、調査開始以来の最低水準を更新しています3・4月の景気指標は改善傾向ながら、雇用と消費者マインドは横ばいのままのようです。中国の金融引き締めと元の切上げ観測の影響も、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の好決算が相次ぎ、資本不足は解消し、一旦、金融は正常化したように見えますが、変って、各国の財政赤字拡大が経済運営上のリスクとなりつつあります。ギリシャや財政赤字国の債務不履行懸念問題は対策案が発表され、EUが支援する方向となっていますが、まだ、解決したとは言えません。さらに、英国・米国のソブリン・リスク問題も議論され始め、長期金利への影響が懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。
全世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に変りつつあります。為替は、金利差の変動に大きく左右されています。
世界景気は底を打ったように見えますが、消費の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2011年まで続くと言われる米国の商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は22日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.87ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが31.9、PBRが1.42、ROEが4.3%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇にも関わらず下落しました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.3%%となり、日経平均は370円の割安で、割安幅は拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-460円~-140円の間で推移しています。日本市場は、米国市場より弱い相場が続いています。今夜の米国市場では、3月の耐久財受注や3月の新築住宅販売件数が注目されそうです。昨日の日経平均の動きは、やはり、調整局面の中での戻しだったようです。米国市場は1-3月期の好決算もそろそろ、織り込んできつつあり、ギリシャ問題、GS問題の行方など、懸念材料も無くなった訳ではありませんので、上昇の勢いは、強くはありません。中国の不動産取引規制の影響もあり、目先の日経平均はもう少し調整が必要なようですが、来週からの3月期決算発表の本格化もあり、そろそろ、買い場探しの相場となりそうです。


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