日経平均の予想: [2010/04/06]日経平均の今後の見通し

Tuesday, April 06, 2010

[2010/04/06]日経平均の今後の見通し

[市況]
5日、NYDowとNASDAQは上昇しました。6日の日経平均先物は、前日比同値で寄り付きました。前場は軟調な展開となり110円安まで下げた後に若干もどす動きでしたが、後場に140円安と一段安となる場面がありました。大引けにかけては戻り歩調となり、最終的に80円安で引けました。日経平均は56円安で引け、出来高は21.1億株とやや増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、420万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
5日の米国市場では、3月の米雇用統計で雇用者数が3年ぶりの増加幅となったことや、2月の仮契約住宅販売指数が市場予想に反して大幅に上昇したほか、3月のISM非製造業景況感指数も上昇。景気回復期待を強める経済指標が相次いだことが相場上昇の支援材料となりましたが、10年物国債利回りが一時4%台に乗せたことが、相場の上値を抑える要因として意識されました。
6日の日本市場では、米市場高を好感して買いが先行したものの、円安が一服したことで利益確定売りが優勢となり、下げに転じました。後場はGLOBEXの米株価先物指数や第一生命の軟調推移も重しとなり、一時120円超へ下げ幅が拡大しました。ただ、ファストリテーリングが大引けにかけて上げに転じる場面もみられ、日経平均はやや下げ渋って終えました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+22.3%とプラス幅は縮まりました。200日線との乖離率は+10.6%とプラス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。
NYDowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在りますが、9日線を下回りました。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変りました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.9ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は1.7ポイント拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が2.1ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の10月~12月期のGDPは予想以上の伸びでしたが、米企業の10月-12月期決算発表は、好悪まちまちな状況でした。経済指標では、3月のISM製造・非製造業景況感指数、消費者信頼感指数、2月の小売売上高、個人消費支出は市場予想を上回りましたが、3月の景気指数、2月の卸売物価指数は低下しました。3月の失業率は9.7%と変らなかったものの、雇用者数が16.3万人増と事前予想より改善傾向を示しました。一方、住宅関連では、2月の中古住宅販売が減少したものの予想以上となり、2月の仮契約住宅販売指数も予想以上で、1月の住宅着工件数も改善しました。1月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で下落しましたが、市場予想より小幅でした。ただ、2月の新築一戸建て住宅販売件数は4ヶ月連続減少し、調査開始以来の最低水準を更新しています。2・3月の景気指標は改善傾向ながら、雇用と消費者マインドは低下したままのようです。2月の消費者物価指数が高い伸びとなった中国の金融引き締めの影響も、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の相次ぐ公的資金返済発表で表面的に資本不足は解消し、金融は正常化したように見えますが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、米地銀の不良債権問題の影響も懸念されます。一方、米政府の金融機関に対する規制問題は悪材料ですが一旦は織り込んだようです。また、ギリシャや財政赤字国の債務不履行懸念問題は対策案が発表され、EUが支援する方向となっていますが、まだ、解決したとは言えません。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。
全世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に変りつつあります。為替は、金利差の変動に大きく左右されています。
世界景気は底を打ったように見えますが、消費の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2011年まで続くと言われる米国の商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は5日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.26ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが33.7、PBRが1.44、ROEが4.3%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.8%%となり、日経平均は100円の割安で、割安幅は拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-160円~+80円の間で推移しています。日経平均は、米雇用統計の発表後の米国市場の影響を織り込んだ後、下落しました。今夜の米国市場ではバーナンキFRB議長講演やMBA住宅ローン申請指数、米2月消費者信用残高などの経済指標が注目されそうです。米国市場よりは日本市場の堅調な動きが続いていましたが、日本市場の方が軟調な展開に変りました。騰落レシオは144と高水準ながら減少し、25日移動平均乖離率も4.6%と高値警戒域から出て、理想的な調整局面入りとなりそうです。一方、増益基調の企業決算発表を控え、先高感はまだまだ強そうですので、絶好の押目買いチャンス到来となりそうです。


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