日経平均の予想: [2010/04/14]日経平均の今後の見通し

Wednesday, April 14, 2010

[2010/04/14]日経平均の今後の見通し

[市況]
13日、NYDowとNASDAQは小幅上昇しました。14日の日経平均先物は、前日比90円高で寄り付きました。前場は120円高まで上昇した後は徐々に値を下げる展開となりました。後場開始後に10円高まで上げ幅を縮める場面がありましたが、その後は徐々に戻し、最終的に60円高で終わりました。日経平均は43円高で引け、出来高は23.4億株と多めでした。寄り付き前の外国人の売買注文は、630万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
13日の米国市場では、世界的な景気回復を背景に米企業の業績が改善するとの期待から、景気敏感業種を中心に買いが優勢でした。個人消費に関連した銘柄や、大引け後に決算発表を控えた半導体大手インテルなどハイテク株が堅調でした。一方、アルコアは1.6%下落するなど相場は安く推移する場面もありました。
14日の日本市場では、米市場の上昇に加え、インテルが発表した1-3月期決算と4-6月期売上高見通しが市場予想を上回ったことが好感され、買い優勢で始まいました。前場中ごろには上げ幅を100円超へ拡大する場面もありましたが、上値では利益確定売りが優勢となりました。後場に入るとアジア市場の軟調推移が重しとなり、下げに転じる場面もありましたが、前日との間に空いた窓埋め完了後は押し目買いも入り、大引けにかけてもどり歩調となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。短期トレンドは黄信号が点灯しています。総合乖離率は+16.9%とプラス幅は拡がりました。200日線との乖離率は+9.4%とプラス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期的トレンドは青信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。
NYDowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカル的な指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.8ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は0.1ポイント縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が2.2ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の10月~12月期のGDPは予想以上の伸びでしたが、米企業の1月-3月期決算発表が始まり、インテルは予想以上でしたが、アルコアは売上が予想以下となりました。経済指標では、3月のISM製造・非製造業景況感指数、消費者信頼感指数、既存店売上高や2月の個人消費支出は市場予想を上回りましたが、3月の景気指数、2月の卸売物価指数は低下しました。3月の失業率は9.7%と変らなかったものの、雇用者数が16.3万人増と事前予想よりは少なかったものの改善傾向を示しました。一方、住宅関連では、2月の中古住宅販売が減少したものの予想以上となり、2月の仮契約住宅販売指数も予想以上で、1月の住宅着工件数も改善しました。1月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で下落しましたが、市場予想より小幅でした。ただ、2月の新築一戸建て住宅販売件数は4ヶ月連続減少し、調査開始以来の最低水準を更新しています。2・3月の景気指標は改善傾向ながら、雇用と消費者マインドは横ばいのままのようです。2月の消費者物価指数が高い伸びとなった中国の金融引き締めの影響も、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の相次ぐ公的資金返済発表で表面的に資本不足は解消し、金融は正常化したように見えますが、時価会計基準が緩和されたこともあり、金融機関の不良資産が本当に減少しているかどうかは定かではありません。また、米地銀の不良債権問題の影響も懸念されます。一方、米政府の金融機関に対する規制問題は悪材料ですが一旦は織り込んだようです。また、ギリシャや財政赤字国の債務不履行懸念問題は対策案が発表され、EUが支援する方向となっていますが、まだ、解決したとは言えません。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。
全世界的な低金利政策は、各国の事情による金利政策に変りつつあります。為替は、金利差の変動に大きく左右されています。
世界景気は底を打ったように見えますが、消費の低迷や雇用の減少は、世界中で継続しています。また、2011年まで続くと言われる米国の商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきは、金融機関の不良債権の増加を懸念させ、企業および個人の資金調達に悪影響を及ぼしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は13日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.62ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが33.3、PBRが1.45、ROEが4.3%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇に連動して上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.0%%となり、日経平均は110円の割安で、割安幅は拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-160円~+50円の間で推移しています。昨日も米国市場は年初来高値を更新しましたが、日本市場は冴えない展開です。このところ、米長期金利の低下と日米金利差の縮小で、為替が円高方向に振れている為に、日本市場の方が軟調な展開が続いています。今夜の米国市場では3月の消費者物価指数 、3月の小売売上高やJPモルガン・チェースの1-3月期の決算発表が注目されそうです。日経平均の25日移動平均線が11000円に近づいてきましたので、この水準が、今回の押目の目途の候補となりそうですが、米国市場は米企業の1-3月期の好決算を織り込んで上昇してきた面もあり、材料出尽くし感や、逆に予想以下の内容で米国市場が一服した場合は、11000円割れの可能性も考えておく必要がありそうです。


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