日経平均の予想: <20091025>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Sunday, October 25, 2009

<20091025>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
米国市場では、低金利が続き主要企業の7-9月決算も概ね好調で景気回復期待相場が続いています。一方、多くの地方銀行の破たんが報道されるなど、金融実態の厳しさも露呈しています。中長期的には、米国を中心とする先進国の消費の低迷や雇用の悪化などによる個人ローンの不良債権化と商業用不動産価格の下げによる信用収縮傾向が、今後も景気の足を引っ張る原因となる可能性が残っています。
そのような環境の中、10月第4週の米国市場は、アップルやアマゾン7-9月期決算が好調だった半面、金融業は投資銀行業務は好調なものの、銀行本体業務の不調から高値揉み合いとなりました。今週は、米国の住宅価格指数や米国の7-9月期のGDPなどが注目されそうです。
2009年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差はOECDのGDP予想値が改訂され日本市場が3.5ポイント割高となっています。先週と比べ0.1ポイント割高幅が縮小しました。日本市場は米国市場に比べGDPの減少率と企業利益の減少が著しい点が割高の原因です。日経平均のPERは39.1で、S&P500のPERの18.2と比べると、企業のファンダメンタルに大きな差が有ります。長期金利差でこれを埋める形ですが、それでも大幅な割高感があります。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2009年GDP予測値(現在-5.6%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週の米国市場は高値揉み合いでした。今週は決算発表も一巡したことから弱含みな展開となりそうです。。
②3月決算発表が終わり、日経225採用銘柄の今期予想増益率は前期が赤字の為、計算不能となりましたが、世界景気の下ぶれにより今期ROE予想値は3.3%となっています。
③米国の長期金利は上昇し、日米の金利差は2.0-2.1%で推移し、為替は90--92円台のレンジ内の動きでした。金利差は拡大ぎみですので、今週も、90-92円台が想定されます。
④今年9月に、OECDによる日米の2009年の実質GDP伸び率予測値が修正され日本が-5.6%となり、米国は-2.8%と予想されていますので、この面では日本市場にとって2.8ポイント分の割高となる弱気材料です。
⑤10月2週の外人は買い越しでしたが、10月3週も小幅買い越しだった可能性は高いものの、今週は売り越しが予想されます。
5つのポイントのうち先週は③が強気材料でした。今週は①③⑤がキーポイントと思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、9.4ポイント割安となり、先週比1.0ポイント縮小しました。
一目均衡表では、雲の中に在り、200日移動平均線乖離率は+11.7%となり先週と比較してプラス幅は0.2ポイント縮小し、総合乖離率は+14.8%となりプラス幅が拡大しました。2つがプラスですので中期上昇トレンドは、"黄信号"が点灯しています。日経平均は9日線、25日線の上に在りますので、短期的には"青信号"です。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲と200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。短期的には"黄信号"で中期的には"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
先週は、米市場が米企業の第三四半期の好決算を相当織り込んでいたので、高値揉み合いでしたが、為替がやや円安に推移したことで日経平均の戻り歩調が続きました。先週までに主要企業の決算発表はほぼ終わりましたので、今週の米国市場は好材料出尽くしで、弱含みな展開が予想されます。こうした環境から、今週の日経平均はテクニカルな支持線である25日線、75日線、一目均衡表の転換線が集まる10120-10190円近辺を守れるか否かに注目したいと思います。


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