日経平均の予想: <20091014>日経平均の今後の見通し

Wednesday, October 14, 2009

<20091014>日経平均の今後の見通し

[市況]
13日のNY Dowは下落しNASDAQは小幅上昇しました。14日の日経平均先物は、前日比30円高で寄り付きましたが、前場は下げ歩調となり、一時70円安まで売られました。その後は戻り歩調となりましたが、最終的に前日比10円安で終わりました。日経平均は17円安で引け、出来高は21.9億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は190万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、”売り”が有利な状態です。

13日の米国市場では、高値警戒感がある中で、朝方に発表した7-9月期決算で売上高が市場予想に届かなかったJ&Jが下落し、アナリストが投資判断を引き下げたゴールドマン・サックスが下げ、米銀行大手株にも下げが目立ちました。売り一巡後は下げ渋ったものの、引け後に予定されているインテルの決算発表を見極めたいとして、様子見ムードが強まりました。
14日の日本市場では、インテルの7-9月期決算が市場予想を上回る内容となり、寄り付きはこれを好感した動きとなりました。その後は材料出尽くし感から買いは続かず、下げへ転じました。売り一巡後は、米主要企業決算の内容を見極めたいとするムードが根強く、積極的な売買は見送られました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。短期トレンドは黄信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は+8.9%となり、プラス幅は縮小しました。200日線との乖離率は+10.0%となり、プラス幅は縮小しました。一目均衡表では雲の中に在ります。2つがプラスですので、中期的トレンドは、黄信号が点灯しています。ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)では200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NY Dowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。
日・米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が12.0ポイント割安にある状態となり、テクニカル面の割安幅は若干縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、9月に改定されたOECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が3.6ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国・中国の実体経済の見通し」、「欧米の金融機関の損失拡大による金融危機再来」、「為替の動向」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米企業の7-9月決算は今のところ順調で、4-6月期の米GDPや9月のISM非製造業景況感指数や9月の小売売上高が改善しました。しかし、住宅関連指数はまちまちで9月の消費者態度指数やシカゴ購買部協会景気指数が予想以下となり、消費関連経済指標もまちまちです。9月の雇用統計は雇用者数が予想以上に減少し、さらに、9月のISM製造業景況指数が前月比で低下したことや、米国の設備投資の伸びなやみが景気の足かせとなっています。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。一方、主要金融機関の4-6月期業績は概ね順調で、FRBも当面ゼロ金利政策維持の方向です。しかし、米地銀の不良債権問題やノンバンク大手CITの破綻懸念問題がくすぶっています。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。3つめについてはオーストラリアの中央銀行が利上げしたことにより、世界的な低金利政策から各国の事情ごとの金利政策への転換点となったようです。為替は金利差による変動となる要素が増しそうです。但し、対ドルに対する円高も一服しています。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。新型インフルエンザの蔓延による欧米やアジア経済の停滞懸念もあります。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は13日、上昇しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在4.83ドル)61.8%戻しを達成後下落しています。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは38.9となりました。PBRは1.26となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、円高にも関わらず、NY Dowの下落率と同程度でした。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.8%(80円の割安)となっており、日経平均のプレミアムのマイナス幅は縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-290円~-40円の間で推移しています。日経平均は、NY Dowの動きに対して下振する動きが続いていますが、改善傾向です。ドル・ベースの日経平均は、NY Dowより80円ほどの下振れで前日より縮小しました。円ベースでの日経平均は240円程度の下振となり40円ほど改善しました。日本市場独自の弱さによる分が80円、円高による下振れ分が160円と言うことになります。ここ2日は外人買いが引っ込み、金融株も元気なく、日本市場独自の弱さが続いています。
米市場は青信号ですが、日経平均は25日線を抜けず、日本市場の短期トレンドは、黄信号のままです。今夜の米国市場では9月の小売売上高やJPモルガン・チェースの7-9期決算が注目されそうです。日経平均の弱さの原因である円高は一進一退で、銀行株もJALに対する債権放棄要請などで逆風が吹いています。日本市場は外人買い、円安、金融株高が戻らないと、もう一段の上昇は困難なようです。テクニカルにも25日線を抜かないことには、元気が出ないようです。


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