日経平均の予想: <20091002>日経平均の今後の見通し

Friday, October 02, 2009

<20091002>日経平均の今後の見通し

[市況]
1日のNY DowとNASDAQは大幅の続落でした。2日の日経平均先物は、前日比190円安で寄り付きました。前場に180円安まで下げ幅を縮めましたが、後場にかけて270円安まで売られました。その後は戻り歩調となり、最終的に前日比250円安で終わりました。日経平均は246円安で引け、出来高は21.9億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は590万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、”売り”が有利な状態です。

1日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数が前週から増加し、市場予想を上回りました。ISM製造業景況指数は市場予想に反して前月比で低下しました。米景気の回復に関する不透明感が意識され、景気敏感業種を中心に売られ、株価指数は引けにかけて下げ幅を広げました。
2日の日本市場では、米市場の大幅下落を受けて朝方から主力株を中心に売りが先行しました。後場に入ると、一段安となった後は米9月雇用統計の結果を見極めたいとの手控えムードで小動きとなり、当日安値圏で引けました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の下に在りますので、短期トレンドは赤信号が点灯しています。一方、日経平均の総合乖離率は-2.0%となり、プラス幅が縮小しました。200日線との乖離率は+6.9%となり、プラス幅は縮小しました。一目均衡表では雲の下に在ります。1つがプラスですので、中期的トレンドは、黄信号が点灯しています。ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)では200日線、75日線、一目均衡表の雲の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。
NY Dowは200日線、75日線の上に在りますが、9日線の下に在り、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線の上に在りますが、9日線の下に在り、25日線を下回りました。一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わり真下。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日・米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が11.8ポイント割安にある状態となり、テクニカル面の割安幅は縮小しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、9月に改定されたOECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が3.8ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国・中国の実体経済の見通し」、「欧米の金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米企業の4-6月決算は順調で、4-6月期の米GDPや8月の景気指数も大幅に改善しています。8月の雇用統計も改善しました。しかし、9月の雇用統計には懸念もでてきました。住宅関連指数はまちまちで、9月の消費者態度指数やシカゴ購買部協会景気指数が予想以下となり、消費関連経済指標が弱含みになってきました。さらに、9月のISM製造業景況指数が前月比で低下したことや、米国の設備投資の伸びなやみが景気の足かせとなっています。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。一方、主要金融機関の4-6月期業績は概ね順調で、FRBも当面ゼロ金利政策維持の方向です。しかし、米地銀の不良債権問題やノンバンク大手CITの破綻懸念問題がくすぶっています。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。新型インフルエンザの蔓延による欧米やアジア経済の停滞懸念もあります。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は1日、下落しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在4.53ドル)61.8%戻しを達成後下落しています。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは37.9となりました。PBRは1.21となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの下落率に連動して下げました。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.3%(230円の割安)となっており、日経平均のプレミアムはマイナス幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-280円~-60円の間で推移しています。日経平均は、NY Dowの動きに対して若干上振する動きとなりました。
日・米市場とも短期トレンドは赤信号となりました。ドル・ベースの日経平均も、NY Dowよりまだ下振れしている形ですので、日経平均の弱さは円高だけでは説明できないようです。日本市場の需給要因や金融株の弱さが原因の一つと考えられます。円ベースでの日経平均はあまり変化せず400円程度の割安です。今夜の米国市場では9月の雇用統計が注目されそうです。米市場も日本市場に続き短期的に下落トレンド入りを確認した形となりました。一目均衡表の曇の下限を割ってきましたので、雇用統計の内容次第ですが、7月の下落率と同じ25日線の7%下方乖離の9650円が視野に入ってきました。しかし、目先は急激な下げに対する自律反発も予想されます。


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