[市況]
14日のNY DowとNASDAQは上昇し年初来高値を更新しました。15日の日経平均先物は、前日比130円高で寄り付きました。前場はさらに上昇し、一時210円高となる場面がありました。後場は利益確定売りに押され、最終的に前日比160円高で終わりました。日経平均は178円高で引け、出来高は20.0億株と低水準でした。寄り付き前の外国人は1150万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては、”買い”が有利な状態です。
14日の米国市場では、インテルに続き、JPモルガン・チェースが予想を上回る決算を発表。米企業の業績回復への期待が高まり、買い優勢となりました。また、買い替え支援策の終了による自動車販売の減少の影響が懸念されていた9月の米小売売上高で、前月比のマイナス幅が予想より小さかったため、個人消費への不安が薄れたことも支援材料となりました。
15日の日本市場では、米市場でNY Dowが1万ドル大台を回復したことが好感されました。日経平均株価は75日移動平均線や25日移動平均線を上放れたことで売り方の買い戻しが入り、前引け段階での上げ幅は210円を超えました。後場は利益確定売りで伸び悩んだものの、大引けにかけては買いも入り、高値圏で引けました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線の上に在り、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。一方、日経平均の総合乖離率は+14.2%となり、プラス幅は拡大しました。200日線との乖離率は+11.8%となり、プラス幅は拡大しました。一目均衡表では雲の中に在ります。2つがプラスですので、中期的トレンドは、黄信号が点灯しています。ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)では200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NY Dowは200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドも青信号が点灯しています。
日・米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が11.8ポイント割安にある状態となり、テクニカル面の割安幅は縮小しました。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、9月に改定されたOECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が3.6ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国・中国の実体経済の見通し」、「欧米の金融機関の損失拡大による金融危機再来」、「為替の動向」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめについては、米企業の7-9月決算は今のところ順調で、4-6月期の米GDPや9月のISM非製造業景況感指数や9月の小売売上高が改善しました。しかし、住宅関連指数はまちまちで9月の消費者態度指数やシカゴ購買部協会景気指数が予想以下となり、消費関連経済指標もまちまちです。9月の雇用統計は雇用者数が予想以上に減少し、さらに、9月のISM製造業景況指数が前月比で低下したことや、米国の設備投資の伸びなやみが景気の足かせとなっています。2つめについては、ストレステストの結果発表により金融危機は短期的には遠のきましたが、不良資産が本当に減少しているか否かは時価会計基準が緩和されたこともあり、不透明です。一方、主要金融機関の7-9月期業績も今のところ順調で、FRBも当面ゼロ金利政策維持の方向です。しかし、米地銀の不良債権問題やノンバンク大手CITの破綻懸念問題がくすぶっています。引き続き、金融機関の決算での不良債権に注目する必要があります。3つめについてはオーストラリアの中央銀行が利上げしたことにより、世界的な低金利政策から各国の事情ごとの金利政策への転換点となったようです。為替は金利差による変動となる要素が増しそうです。
一方、中長期的に見ると、世界景気は底打ちの気配があるものの、前年からの落ち込み幅は大きく、輸出の低迷や雇用の減少傾向は世界的に続いています。2010年まで続くと言われる商業用不動産価格の下落や個人向けローンのこげつきから、金融機関の不良債権増加懸念は払しょく出来ず、個人消費や企業の資金調達への悪影響を与え続けます。新型インフルエンザの蔓延による欧米やアジア経済の停滞懸念もあります。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は14日、上昇しました。(1月高値7.59ドルと3月安値1.02ドルに対し、現在5.00ドル)61.8%戻しを達成後下落しています。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、予想PERは39.5となりました。PBRは1.27となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、NY Dowの上昇率と同程度でした。結果、NY Dowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.9%(100円の割安)となっており、日経平均のプレミアムのマイナス幅は若干拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間は、-290円~-40円の間で推移しています。日経平均は、NY Dowの動きに対して下振する動きが続いていますが、改善傾向です。円ベースでの日経平均は160円程度の下振となり80円ほど改善しました。日本市場独自の弱さによる分が100円、円高による下振れ分が60円と言うことになります。今日は外人買いが戻りましたが、銀行株は弱い動きでした。日本市場独自の弱さは若干改善しました。日本市場の短期トレンドも青信号となりました、日経平均は野村証券の大型ファイナンスや返済猶予問題で生じた窓を埋め、25日線を抜きましたので、市場心理はこの問題を一応乗り越えたと考えられます。今夜の米国市場では10月のNY連銀製造業景気指数やIBMや大手銀行の7-9期決算が注目されそうです。円高、JAl問題での銀行株安、民主党政権の政策など、まだ日経平均の弱さの原因として残っているようです。ここしばらく、日経平均は米国市場の上昇と外人買い頼みが続きそうです。
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