[ファンダメンタルの現状認識]
先週は米主要企業の決算発表で一進一退の展開ながら、悪材料が勝りました。今週も日本市場で10-12月決算がピークを迎えますので、悪材料が出易い環境と思われます。一方、中長期的には、世界同時不況と、ヘッジファンドの売り圧力、不動産価格の下げ傾向に変化は見られません。そのような中で、2009年のGDP伸率予測値考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は-0.3ポイントとなりました。先週と比べ割高度は0.5ポイント減少しました。200日線乖離率差では、4.2ポイント割安となり、先週比1.3ポイント割安方向に変化しました。日本市場は決算内容次第では一段安もありそうですが、すでに反転しても良い水準まで下げています。
[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2009年GDP予測値(現在-0.1%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週も米国市場は下落しましたので、今週は自律反発が期待できそうです。
②決算発表の結果、日経225採用銘柄の今期予想増益率は世界景気の下ぶれにより7月中旬の-2.3%から-43.5%の減益予想に悪化しました。先週も、悪化しました。
③長期金利は米国で若干もどし、日米の金利差は1.1%から1.4%に拡大したものの、為替は87-89円台と円高方向で推移しました。今週も急激な円安は想定できないものの、先週の87.1円が当面の下値になりそうです。
④11月初旬に、OECDによる日米の2009年のGDP伸び率予測値が修正され日本が-0.1%%となり、米国は-0.9%となりましたので、この面では日本市場にとって0.8ポイント強気材料となりました。
⑤外人は1月2週は売り越しでしたが、1月3週も売り越だった可能性が高く、今週も売り越しが予想されます。
5つのポイントのうち先週は①②③⑤が弱気材料でした。今週も①と日本企業業績と為替がキーポイントと思われます。
[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、一目均衡表では、雲の下に在り、200日移動平均線乖離率は-33.0%となり先週と比較してマイナス幅は3.5ポイント拡大し、総合乖離率は-52.9%となりマイナス幅は11.0ポイント拡大しました。3つともマイナスですので中期上昇トレンドは、"赤信号"となりました。日経平均は25日線、9日線の下に在りますので短期的にも"赤信号"です。米国市場はNY Dowは25日線、9日線の下に在ります。,Nasdaqも25日線、9日線の下に在りますので、短期的には"赤信号"です。
[今週の見通し]
今週は、ファンダメンタル面では金融不安は小康状態となりそうですが、日本企業の決算発表と為替に影響されそうです。一方、テクニカル面では、日米とも"赤信号"のままで、25日移動平均線は日米とも下降に転じましたので、下降トレンドは変わりそうもありませんが、25日線乖離率は反転が大いにあり得る水準にまで拡大してきましたので、売りづらいところです。投資スタンスとしては9日線を抜けば買いと言うスタンスが良いように思います。
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