日経平均の予想: <20090119>日経平均の今後の見通し

Monday, January 19, 2009

<20090119>日経平均の今後の見通し

[市況]
16日のNY DowとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均先物は90円高で寄り付きましたが、徐々に値を下げ後場中頃に30円安まで下げましたが、その後は小動きとなり、結局10円高で引けました。日経平均は26円高でした。寄付き前の外人は30万株の買い越しで、出来高は15.0億株と低水準ながら、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が縮小しましたが、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
16日の米国株式市場は、バンカメに対する200億ドルの公的資金注入や損失保証などの支援策が発表されたことや、シティグループが一部部門の切り離しなど再建策を発表したことが好感され、原油高もあり、石油、素材やハイテク株の一角が買われました。金融株は安くなる場面もあったものの、オバマ新政権による景気対策法案への期待から買いが入った面もあったようです。
19日の日本市場では、先週末の米市場が上昇したことや、円安に振れるなど外部環境の改善が好感され、寄付きは高く始まったものの、その後は上値の重さから手じまい売りが優勢になりました。米国市場が休場で外人投資家の参戦も少なかったようです。

[テクニカル視点]
日経平均は、上昇しましたが、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-41.9%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率は-29.5%とマイナス幅が縮小しましたが、3つがマイナスですので、中期的トレンドも、"赤信号"です。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により、日本市場が0.8ポイントと割高となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.5ポイント下回るレベルとなり、割安度は拡大しました。
NY Dowは、上昇しましたが、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在りますので、米国市場の短期トレンドは、引き続き"赤信号"です。中期トレンドも、"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
日米市場とも景気、企業業績悪化懸念を有る程度織り込んだようですが戻りは鈍いようです。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、政府の支援内容は繋ぎ策のみで、判断は次期政権に持ち越され一旦は落着いています。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、今月の米主要銀行の決算発表を控え徐々に業績内容の悪さが明らかになってきました。市場は、企業業績や雇用の悪化をまた問題視していますので、決算発表が一巡するまで、懸念が残りそうです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、16日は下落し昨年安値を更新しました。(11月の安値3.8ドルに対して現在3.5ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-41.2%で、予想PERは16.0、PBRは0.95となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。

[今後の見通し]
日経平均は、先週末の米国市場の上昇率ほどは上げませんでした。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-1.6%(150円の割安)とマイナス幅が拡大しました。プレミアム値はここ1週間は-210~+140の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートも、一目均衡表の雲の中には留まっていますが、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期的には"赤信号"のままです。日経平均は、年初から外人投資家が戻ってきたことで、NY Dowと連動した動きにもどっていますが、ここ数日は割安ぎみに推移しています。日米とも10-12月期の決算の悪さはある程度織り込んだ感もありますが、連休で今夜米国市場が休場ということも在り、戻りは鈍いようです。明日はオバマ就任前の期待で多少の上値追いが期待されます。


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