[市況]
5日のNY DowとNASDAQは下落しましたが、日経平均先物は150円高で寄り付きましたが、その後は下落に転じ前場に一時30円高まで値を下げ、後場さらに30円安まで値を下げ、結局前日同値で引けました。日経平均は37円高でした。寄付き前の外人は320万株の買い越しで、出来高は21.6億株と低水準ながら、やや増加し、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅が拡大し、個別銘柄は"買い"が有利な状況です。
5日の米国株式市場は、前週末までの上昇で利益確定売りが出易い相場環境もあり、アナリストの投資判断引き下げが伝わった携帯・通信関連や銀行株の一角が売られました。一方、11月の建設支出が市場予想ほど悪化しなかったことや、オバマ次期大統領の減税策報道もあり、下げ渋る場面もありました。
6日の日本市場では、円が下落し、主力の輸出関連株に買いが膨らみましだ。オバマ次期米大統領による大型経済対策への期待と、その中心となる環境問題への取り組み強化の流れから、原発や太陽電池などのエネルギー関連銘柄に買いが膨らみました。しかし、場中は先物主導で売られ、現物株もつれ安する場面もありました。
[テクニカル視点]
日経平均は上昇し、75日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在りますので、短期トレンドは"青信号"です。一方、一目均衡表の雲の中に有り、総合乖離率は-17.9%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率は-23.0%とマイナス幅が縮小しました。2つがマイナスとなりましたので、中期的トレンドは、引き続き"黄信号"でした。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により、日本市場が0.6ポイントと割高となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.4ポイント下回るレベルとなり、割安度は縮小しました。
NY Dowは、上昇しましたが、75日線、下に在りますが25日線、9日線、の上に在り、一目均衡表の雲の中にあります。Nasdaqも、75日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の中にありますので、米国市場の短期トレンドは、"青信号"となり、中期トレンドは、"黄信号"です。
[ファンダメンタル視点]
日米国市場ともオバマ次期米大統領による大型経済対策への期待が相場を支えているようです。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、政府の支援内容は繋ぎ策のみで、判断は次期政権に持ち越され一旦は落着いています。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、今月の米主要銀行の決算発表を控え徐々に業績内容が明らかになってくるものと思われます。市場は、円安から主力株や環境関連などの材料銘柄に関心が向いているようです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、5日は上昇しました。(11月の年初来安値4.7ドルに対して現在7.1ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-40.8%で、予想PERは17.1、PBRは1.03となりました。
[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落と円安が相殺された形となりました。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較た場合の日経平均のプレミアムは+0.0%(0円の割高)とプラス幅が減少しました。プレミアム値はここ1週間は-70~+610の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線の上に在り、9日線と75日線を抜き、一目均衡表の雲の上に頭がでました。比較的堅調に推移しています。日経平均は、上昇したものの、年末のプレミアム分を吐き出してのスタートとなりました。日米ともボリンジャーバンドの2σを超えましたので、経済指標の悪化など、悪材料には敏感になると思われますが、ボリンジャーバンド+2σラインは上昇に転じていますので、暫くはこのラインを挟んだ動きが予想されます。
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