日経平均の予想: <20090114>日経平均の今後の見通し

Wednesday, January 14, 2009

<20090114>日経平均の今後の見通し

[市況]
13日のNY Dowは小幅下落しNASDAQが小幅上昇しましたが、日経平均先物は20円高で寄り付き、後場始めにかけて160円高となる場面もありましたが、引けにかけて売り直され、結局前日同値で引けました。日経平均は24円高でした。寄付き前の外人は1250万株の売り越しで、出来高は17.9億株と減少し、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が縮小しましたが、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
13日の米国株式市場は、10-12月期に6年ぶりの赤字となったアルコアが大幅に下落、アナリストが業績に慎重な見方を示したGEも軟調に推移したことや、バーナンキ議長の講演で、世界景気の回復時期が非常に不透明との発言などが、NY Dowの足かせとなりました。一方、サウジアラビアの減産観測などから原油が上昇したことはプラスに働いたようです。
14日の日本市場では、日経平均は前日までの3日間で825円下落していたため、自律反発狙いの買いが入りやすかったものの、景気や企業業績のさらなる悪化への警戒感も強く、日経平均は、8500円前後で上値が抑えられ、大引けにかけては伸び悩んで終了しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の中に有り、総合乖離率は-36.5%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率は-28.0%とマイナス幅が縮小しましたが、2つがマイナスなので、中期的トレンドは、引き続き"黄信号"です。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により、日本市場が0.8ポイントと割高となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.8ポイント下回るレベルとなり、割安度は若干縮小しました。
NY Dowは、下落し、75日線、25日線、9日線の下に在り、一目均衡表の雲の中にあります。Nasdaqも、75日線、25日線、9日線の下に在り、一目均衡表の雲の中にありますが、米国市場の短期トレンドは、"赤信号"となりました。中期トレンドは、"黄信号"です。

[ファンダメンタル視点]
日米国市場とも売られすぎな面が有りますが、企業業績悪化懸念が重石となり反発できませんでした。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、政府の支援内容は繋ぎ策のみで、判断は次期政権に持ち越され一旦は落着いています。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、今月の米主要銀行の決算発表を控え徐々に業績内容の悪さが明らかになってきました。市場は、企業業績や雇用の悪化をまた問題視していますので、決算発表が一巡するまで、懸念が残りそうです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、13日は上昇しました。(11月の安値4.7ドルに対して現在5.9ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-40.8%で、予想PERは16.0、PBRは0.95となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。

[今後の見通し]
日経平均は、円安ぎみながら、米国市場の小動きに結果的に付き合った形となりました。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-0.8%(80円の割安)とマイナス幅が若干拡大しました。プレミアム値はここ1週間は-90~+210の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、まだ75日線の上に在りますが、一目均衡表の雲の中に入り、25日線、9日線の下に在りますので、短期的には"赤信号"となりました。日経平均は、年初から外人投資家が戻ってきたことで、NY Dowと連動した動きにもどっています。日米とも企業業績の一層の悪化を気にして大きく下落しました。25日線は上昇に転じていますが下値支持とはなりませんでした。米国市場はボックス相場の下限に近づき、下髭も出しましたのでテクニカルには反転も考えられますが、下離れした場合は、日経平均も8000円前後までの下落も考えられます。引き続き正念場です。


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