[市況]
19日のNY DowとNASDAQは休場でしたが、日経平均先物は110円安で寄り付き、前場はさらに値を下げ300円安まで下げましたが、後場は若干もどし、結局200円安で引けました。日経平均は191円高でした。寄付き前の外人は430万株の売り越しで、出来高は17.3億株と低水準となり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
19日の米国株式市場は、休場でした。
20日の日本市場では、英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの巨額損失の発表をきっかけにした欧州の金融株安が投資心理を冷やし、朝方は銀行を中心に幅広い銘柄に売りが優勢でした。後場は様子見気分が強まったものの、自動車株が午後に入って上げに転じ、国内の公的年金の買い観測もありました。
[テクニカル視点]
日経平均は、下落し、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-45.5%とマイナス幅が拡大し、200日線との乖離率も-30.6%とマイナス幅が拡大しましたが、3つがマイナスですので、中期的トレンドも、"赤信号"です。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により、日本市場が0.7ポイント割高となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が4.0ポイント下回るレベルとなり、割安度は拡大しました。
NY Dowは、休場で、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在りますので、米国市場の短期トレンドは、引き続き"赤信号"です。中期トレンドも、"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
日本市場はEUの金融不安再燃で下げました。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、政府の支援内容は繋ぎ策のみで、判断は次期政権に持ち越され一旦は落着いています。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、今月の米主要銀行の決算発表を控え徐々に業績内容の悪さが明らかになってきました。市場は、金融不安、企業業績や雇用の悪化をまた問題視していますので、決算発表が一巡するまで、懸念が残りそうです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、16日は下落し昨年安値を更新しました。(11月の安値3.8ドルに対して現在3.5ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-41.2%で、予想PERは15.7、PBRは0.93となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。
[今後の見通し]
日経平均は、米国市場が休場にも関わらず下落しました。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-3.3%(290円の割安)とマイナス幅が拡大しました。プレミアム値はここ1週間は-390~+80の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、かろうじて一目均衡表の雲の中には留まっていますが、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期的には"赤信号"のままです。日経平均は、年初から外人投資家が戻ってきたことで、NY Dowと連動した動きにもどっていますが、ここ数日は割安幅が拡大していますが、そろそろ修正も有りそうです。日米とも10-12月期の決算の悪さはある程度織り込んだ感もありましたが、UBS決算の想像以上赤字幅でオバマ就任前の期待はそれほどの力にはなりませんでした。明日こそオバマ就任演説がポジティブ相場に繋がる可能性が高そうですが、皆がそう思っていると裏切られるのも相場ですので、早めのアクションが重要と思います。
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