日経平均の予想: <20090122>日経平均の今後の見通し

Thursday, January 22, 2009

<20090122>日経平均の今後の見通し

[市況]
21日のNY DowとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均先物は120円高で寄り付きましたが、前場中頃にかけて70円安まで下落しましたが、その後切り返し、結局160円高で引けました。日経平均は150円高でした。寄付き前の外人は760万株の売り越しで、出来高は19.3億株と低水準で、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が縮小しましたが、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
21日の米国株式市場は、前日夕にIBMが市場予想を上回る利益見通しを発表したことや、米信託銀ノーザン・トラストが増益決算を発表したことで、買いが優勢となりました。前日にNY Dowは急落で節目の8000ドルを割り込んでいましたので、自律反発の買いも入り、金融株を中心に買いが膨らみ、取引終了にかけて一段高となりました。
22日の日本市場では、米金融株の急反発をきっかけとした銀行・保険株への買い戻し主導で日経平均は上昇して始まったものの、急速な円高進行への警戒感から自動車やハイテクなどを中心に売りに押されましたが、後場に入ると不動産株や建設株などの内需株中心に買われました。日銀の金融政策決定会合で、CPの買い取りやREIT債の適格担保化など企業の資金繰り対策を正式に決定したことも支援材料になったようです。

[テクニカル視点]
日経平均は、上昇しましたが、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-44.0%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率も-30.5%とマイナス幅が縮小しましたが、3つがマイナスですので、中期的トレンドも、"赤信号"です。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により、日本市場が1.0ポイント割高となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.1ポイント下回るレベルとなり、割安度は拡大しました。
NY Dowは、上昇しましたが、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在りますので、米国市場の短期トレンドは、引き続き"赤信号"です。中期トレンドも、"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
日米市場とも金融不安が後退し金融株中心に上昇しました。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、政府の支援内容は繋ぎ策のみで、判断はオバマ政権に持ち越され一旦は落着いています。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、来月の米主要銀行の決算発表を控え業績内容の悪さが明らかになってきました。市場は、金融不安、企業業績や雇用の悪化をまた問題視していますので、決算発表が一巡するまで、懸念が残りそうです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、21日は上昇ししました。(1月の安値2.8ドルに対して現在3.7ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-41.2%で、予想PERは15.9、PBRは0.93となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。

[今後の見通し]
日経平均は、円高警戒もあり、米国市場の上昇率ほどは戻しませんでした。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-1.8%(160円の割安)とマイナス幅が拡大しました。プレミアム値はここ1週間は-390~+50の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、一目均衡表の雲の中に入り、雲の下限がサポートラインとなっていますが、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期的には"赤信号"のままです。日経平均は、年初から外人投資家が戻ってきたことで、NY Dowと連動した動きにもどっていますが、ここ数日は割安幅が拡大していましたが、修正されつつあります。日米とも乖離率やボリンジャーバンドなどテクニカルのは反転があっても良い水準でしたので自律反発しました。円相場も下値で長い下髭が出て、円安反転期待もありますので、9日線(8200前後)が抜けるかどうかがポイントと思われます。抜けば、25日線(8500円前後)までの戻りが期待できそうです。


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