[市況]
2日のNY DowとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均先物は390円高で寄り付きましたが、その後は下落に転じ一時180円高まで値を下げましたが、結局2400円高で引けました。日経平均は183円高でした。寄付き前の外人は180万株の売り越しで、出来高は11.5億株と半日としてはやや増加し、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅が拡大し、個別銘柄は"買い"が有利な状況です。
2日の米国株式市場は、原油高で石油株が買われたことに加え、米銀行大手も堅調に推移し、米政府から融資の一部を受け取ったと報じられたGMが14%高と急伸するなど、09年入りしてオバマ新政権の景気刺激策などへの期待が改めて強り買いが優勢となりました。
5日の日本市場では、正月連休中の米株の大幅高を好感し、主力株中心に幅広く買われました。円が下落したことも輸出株への支援材料となりました。ただ年初の半日取引とあって一段と買い進む動きは少なく、上値には小口ながら利益確定売りが出たようです。
[テクニカル視点]
日経平均は上昇し、75日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在りますので、短期トレンドは"青信号"です。一方、一目均衡表の雲の中に有り、総合乖離率は-19.3%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率は-23.5%とマイナス幅が縮小しました。2つがマイナスとなりましたので、中期的トレンドは、"黄信号"となりました。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により、日本市場が0.1ポイントと割高となりましたが年末年始で大分減少しました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.8ポイント下回るレベルとなり、割安となりました。
NY Dowは、上昇しましたが、75日線、下に在りますが25日線、9日線、の上に在り、一目均衡表の雲の中にあります。Nasdaqも、75日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の中にありますので、米国市場の短期トレンドは、"青信号"となり、中期トレンドは、"黄信号"となりました。
[ファンダメンタル視点]
日米国市場とも地政学的リスクの高まりから原油高、金融問題と為替の落ち着きで年末年始は上昇しました。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、政府の支援内容は繋ぎ策のみで、判断は次期政権に持ち越され一旦は落着いています。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、来月の米主要銀行の決算発表に関心が移るものと思われます。市場は、中東情勢、円安から主力株や資源関連などの材料銘柄に関心が向いているようです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、2日は上昇しました。(11月の年初来安値4.7ドルに対して現在7.1ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-40.7%で、予想PERは17.0、PBRは1.0となりました。
[今後の見通し]
日経平均は、円安にも関わらず米国市場の上昇率ほどは上がりませんでした。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較た場合の日経平均のプレミアムは+0.2%(10円の割高)とプラス幅が減少しました。プレミアム値はここ1週間は-50~+610の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線の上に在り、9日線と75日線を抜き、一目均衡表の雲の上に頭がでました。比較的堅調に推移しています。日経平均は、上昇したものの、年末のプレミアム分を吐き出してのスタートとなりました。日米ともボリンジャーバンドの2σを超えましたので、経済指標の悪化など、悪材料には敏感になると思われます。
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