[市況]
6日のNY DowとNASDAQが上昇したことを受けて、日経平均先物は60円高で寄り付き、その後も上昇し、一時230円高まで値を上げましたが、後場は値を下げ、結局170円高で引けました。日経平均は158円高でした。寄付き前の外人は1400万株の買い越しで、出来高は28.1億株と増加し、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅が拡大し、個別銘柄は"買い"が有利な状況です。
6日の米国株式市場は、11月の仮契約住宅販売指数が前月比4%減と大幅下落し、NY Dowは下げに転じる場面があったものの、公表されたFOMCの議事要旨が買い材料となり上昇に転じました。オバマ次期政権の追加景気対策や2009年半ばからの米景気回復への期待感などで年金資金などが相場を下支えしたようです。
7日の日本市場では、前日の米市場の上昇や円安など外部環境が改善する中、輸出関連の主力株が全面高となりました。オバマ次期政権による景気対策への期待感から売り込みにくい状況の中で先物買いが入ったほか、外国人などの輸出関連買い・内需関連売りへのポジション調整もあったようです。
[テクニカル視点]
日経平均は上昇し、25日線、9日線の上に在り、75日線を抜きました。短期トレンドは引き続き"青信号"です。一方、一目均衡表の雲の中に有り、総合乖離率は-13.0%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率は-21.6%とマイナス幅が縮小しました。2つがマイナスとなりましたので、中期的トレンドは、引き続き"黄信号"です。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により、日本市場が0.7ポイントと割高となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.3ポイント下回るレベルとなり、割安度は縮小しました。
NY Dowは、上昇し、75日線の下に在りますが25日線、9日線、の上に在り、一目均衡表の雲の中にあります。Nasdaqも、75日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の中にありますので、米国市場の短期トレンドは、"青信号"で、中期トレンドは、"黄信号"です。
[ファンダメンタル視点]
日米国市場ともオバマ次期米大統領による大型経済対策への期待が相場を支えているようです。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、政府の支援内容は繋ぎ策のみで、判断は次期政権に持ち越され一旦は落着いています。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、今月の米主要銀行の決算発表を控え徐々に業績内容が明らかになってくるものと思われます。市場は、円安から主力株や環境関連などの材料銘柄に関心が向いているようです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、6日も上昇しました。(11月の年初来安値4.7ドルに対して現在7.5ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-40.8%で、予想PERは17.4、PBRは1.05となりました。
[今後の見通し]
日経平均は、米国市場に連動して上昇しました。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較た場合の日経平均のプレミアムは-0.3%(30円の割安)とマイナスに転換しました。プレミアム値はここ1週間は-130~+610の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートでは、25日線、9日線と75日線、一目均衡表の雲の上に在り,堅調な動きです。日経平均は、外人投資家が戻ってきたことで、NY Dowと連動した動きにもどったようです。日米とも経済指標の悪化など、悪材料よりはオバマ新政権への期待感が勝った相場になっていますが、さすがに、そろそろ一服しそうです。しかし、ボリンジャーバンド+2σラインは上昇に転じていますので、暫くはこのラインを挟んだ堅調な動きが予想されます。
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