[市況]
22日のNY DowとNASDAQが下落したことを受けて、日経平均先物は100円安で寄り付き、前場にさらに下落した後、後場はじめにかけて下げ渋る場面もありましたが、引けにかけて一段安となり、結局300円安で引けました。日経平均は306円安でした。寄付き前の外人は900万株の売り越しで、出来高は17.1億株と低水準となり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大し、個別銘柄は"売り"が有利な状況です。
22日の米国株式市場は、マイクロソフトが市場予想を下回る2008年10―12月期決算や大幅な人員削減策を発表し、10%超急落した。企業業績への懸念を誘い、ハイテク株に売りが広がった。地銀大手が相次いで赤字決算を発表し、財務懸念から金融株が大幅安となったことも重しとなった。
24日の日本市場では、ソニーが通期の業績見通しを大幅に下方修正したことや米市場が下落したことを嫌気して下落して始まりました。マイクロソフトやノキアの業績悪化を受け、ハイテク関連の下げが目だちました。後場に入り円高気味に推移したことで、一段と下落して終了しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、下落し、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期トレンドは"赤信号"です。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-52.9%とマイナス幅が拡大し、200日線との乖離率も-33.0%とマイナス幅が拡大し、3つがマイナスですので、中期的トレンドも、"赤信号"です。
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの悪化と米国の長期金利の低下により、日本市場が0.3ポイント割高となりました。テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.7ポイント下回るレベルとなり、割安度は拡大しました。
NY Dowは、下落し、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaqも、75日線、25日線、9日線、一目均衡表の雲の下に在りますので、米国市場の短期トレンドは、引き続き"赤信号"です。中期トレンドも、"赤信号"です。
[ファンダメンタル視点]
日米市場ともハイテク企業の業績悪化で大きく下落しました。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、政府の支援内容は繋ぎ策のみで、判断はオバマ政権に持ち越され一旦は落着いています。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりませんが、オバマ政権への期待感は強いものがあります。③については、来月の米主要銀行の決算発表を控え業績内容の悪さが明らかになってきました。市場は、金融不安、企業業績や雇用の悪化をまた問題視していますので、決算発表が一巡するまで、懸念が残りそうです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響は根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、22日は下落しました。(1月の安値2.8ドルに対して現在3.1ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-43.5%で、予想PERは15.5、PBRは0.9となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。
[今後の見通し]
日経平均は、円高もあり、米国市場の下落率以上に下げました。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-3.5%(300円の割安)とマイナス幅が拡大しました。プレミアム値はここ1週間は-390~+50の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、一目均衡表の雲の下に出てしまいました。さらに、75日線、25日線、9日線の下に在りますので、短期的には"赤信号"のままです。日経平均は、年初から外人投資家が戻ってきたことで、NY Dowと連動した動きにもどっていますが、割安幅が拡大してきました。日米とも乖離率やボリンジャーバンドなどテクニカルのは反転があっても良い水準ですが、9日線(8120前後)は抜けず、また、安値を更新してしまいました。25日線との乖離率は9.3%と11月20日以来の数値となりましたので、いつ反転してもおかしくない状態ですが、9日線を抜くまでは買うリスクも大きそうです。
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