8日のNYSEは小幅下落、NASDAQは小幅上昇したことを受けて、日経平均は前日比40円安く寄り付き、その後前場は小動きでしたが、後場上昇し、結局91円高で引けました。出来高は24.0億株と高水準ながら、外人は60万株の売り越しで、高値更新銘柄数が減少して高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差は+153とプラス幅が縮小しました。日経平均が上昇した割りには市場全体としては下落銘柄が多い状態でした。前引け後に発表した川崎汽船の決算が市場コンセンサスを大幅に上回る内容だったことで、相場を一変させたようです。海運株のみならず、造船、資源関連、商社などに買いが波及したようです。これまで、保守的な業績予想のたびに軟調な展開が続いていましたが、今日の市場はポジティブな変化が起きたと評価できるものでした。今日引け後に発表されたトヨタなど明日以降もポジティブな反応を期待したいところです。ボリンジャーバンドが狭まってきましたので、そろそろ上か下に大きく動きそうな気配ですが、下に大きく動く材料は見当たりませんので、短期投資スタンスは、"買い"を継続します。主力企業の決算発表が始まりましたが、今期見通しは概ね保守的でコンセンサスを下回る銘柄が多いようです。今日までのところ、東証一部銘柄の平均増益率は、+0.7%と低迷していますが、日経平均採用銘柄予想増益率は、+9.4%と比較的好調です。米国市場の今期増益率は6.9%なので、日経平均が若干優位で、イールド・スプレッドの差も拡大してきたことから、日経平均に割安感がでてきました。基本的には米国市場と連動した動きとなると思われますので、いずれ日経平均も2月高値を更新する動きになると思われます。テクニカル面では、日経平均のチャートを見ると直近の株価は200日移動平均線の上で推移し、一目均衡表では、雲の上に復帰して、総合乖離率はプラス(9.9%)ですので、中期上昇トレンドには、青信号が点灯しています。今日現在の日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率は、日本市場がまだ2%下回っておりこの面でも割安感があります。しかし、今後しばらく、日米市場とも、決算発表には一喜一憂するものと思われます。
《材料や参考銘柄、日経平均チャートについては右のLINKにある"YS総合研究所HP"も参考にしてください。》