日経平均の予想: November 2025

Sunday, November 30, 2025

[2025/12/01]今後の日経平均の見通し

[市況]

1128日、NYDowNASDAQは上昇しました。121日の日経平均先物は、前日10円安で寄り付くと、午前中は130円高まで上昇したのち940円安まで下落し、午後は840円安から1030円安の間でもみあって、結局、950円安で取引を終えました。日経平均の終値は950円安の49303円で、出来高は21.68億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

1128日の米国市場では、目新しい材料がないなか、根強い12月利下げ観測が投資家心理を支え、株買いにつながりました。月末とあって、機関投資家が運用成績をよく見せるための「お化粧買い」も入ったようです。NYDowNASDAQ5日続伸しました。

121日の日本市場では、前週末の米株高を受けて買いが先行しましたが、短期的な過熱への警戒感から、ほどなく利益確定の売りが膨らみ、指数は急速に下落に転じました。日銀の植田総裁が講演で利上げに前向きと受け止められる発言をしたことも、リスク回避の売りをさそいました。日経平均は5営業日ぶりに大幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にありますが、25日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変りました。

総合乖離率は+23.3%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+19.7%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と200日線の上にありますが、25日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+4.7ポイントとプラス幅を縮め、日平均が2320円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+11.1ポイントとプラス幅を縮め、日経平均5470円ほど割高であることを示しています

 

日経VI30.08と前日より上昇し、VIX16.35と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として大きく上回っており、30に達しています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.55、米国-0.38と日本が3.17ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.36ポイント(日経平均換算で16610円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.49PBR1.64となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-2.9%で、こちらは3か月前より6.4ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.9%となり、日経平均の割安幅は1050円から1980円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1980円~-1050円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.19ポイントから2.18ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

121日の米国市場では、11月のISM製造業景況指数などが注目されるでしょう。引き続き、追加利下げや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを480円ほど下回り、下値は想定ラインを450円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+600円(現在49870円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+300円(現在48580円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は5営業日ぶりに大幅に反落しました。一転して、1119日の安値(48235円)を下回るかどうかが、次の注目点となりました。



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Saturday, November 29, 2025

[2025/11/30]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、FRB12月に政策金利を0.25%下げるとの観測で、株価指数は週間では上昇しました。

週間変動率 NYダウ:+3.18%, NASDAQ:+4.91%, S&P500:+3.73%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、米政権の関税政策、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2026年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が1.29ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER22.6に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER18.8との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2026年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに1.29ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER24.9程度になる。又は、日経平均が66,430円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は16,180円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、16,180円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは縮小しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2026GDP予測値(現在+2.5%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線の上を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+8.9%となりました。3ヶ月前に比べて同水準です。利益伸び率は-2.9%となりました。3ヶ月前に比べて+3.9%ポイント改善しています。

  米国の長期金利は低下し、日米間の金利差は2. 29から2. 21と縮小して、ドル円は157円台から155台の範囲で円高向に動きました。ドル・インデックスは週間で-0.72%下落しました。

  OECDの日米の2026年の名目GDP伸び率は、日本が+2.5%で、米国は+4.3%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.8ポイント劣ります。

  11月第3週は売り越しで、11月第4週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に7.1ポイント(日経平均に勘算すると3720円程度)割高です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に13.5ポイント(日経平均に勘算すると6780円程度)割高です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQより強い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 16.4と低下しました。 日経 VI は 週間で 27.6と低下しました。米国市場はやや楽観的状態で日本市場は疑心暗鬼状態です。

 

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。総合乖離率は+30.0%となり、200日移動平均線乖離率は+22.1%となりました。3つの要因がプラスですので、中期トレンドには"信号“が点灯しています。

                                                        

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。

米国市場は、短期的には"信号”で、中期的にも"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は残っています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などもリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。

日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20254月につけた139円をボトムに円安方向に転換しています。今週は154円台から156円台が想定されます。

 

今週の米国市場では、投資家は遅延した経済指標と新たな民間調査を待ち受けます。その中で、個人消費支出(PCE)デフレーターやISM製造、非製造業景気指数、11月のADP雇用統計、ミシガン大学消費者態度指数などが、注目されます。世界的には、オーストラリアとブラジルの第3四半期GDP、ユーロ圏のインフレ率などが、発表されます。

 

先週の日経平均は想定範囲内を上振れしました。上値は130円上回り、下値は500円上回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ(現在51250円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-1σ(現在49210円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週の日経平均は、米国市場でFRBの追加利下げ観測に変化がなければ、堅調な展開が続きそうです。


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Thursday, November 27, 2025

[2025/11/28]今後の日経平均の見通し

[市況]

1127日、米国市場は休場でした。1127日の日経平均先物は、前日40円安で寄り付くと、午前中は140円高から110円安の間で上下し、午後は50円安から140円高とプラス圏に戻して、結局、120円高で取引を終えました。日経平均の終値は86円高の50253円で、出来高は18.97億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を5日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

1127日の米国は感謝祭の祝日で、株式市場は休場でした。

1128日の日本市場では、前日に上昇した半導体関連株に利益確定の売りが出た一方、バリュー(割安)株には配当の再投資を意識した買いが向かい、相場を支えました。わけても銀行株への買いが目立ちました。もっとも、27日の米国市場が休場、28日も短縮取引とあって市場参加者は少なく、指数は方向感に乏しい動きとなりました。日経平均は4日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にあり、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変りました。

総合乖離率は+30.0%と前日比横ばいで、200日線との乖離率も+22.1%と前日比横ばいでした。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と200日線の上にありますが、25日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+7.7ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が3870円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+14.1ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均7090円ほど割高であることを示しています

 

日経VI27.61と前日より低下し、VIX17.21と前日よりやや上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として大きく上回っているものの、低下傾向にあります。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.51、米国-0.47と日本が3.04ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.23ポイント(日経平均換算で15210円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.84PBR1.67となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-3.2%で、こちらは3か月前より6.8ポイント改善されています。


[今後の見通し]

前日の米国市場は休場でしたが、日経平均は続伸しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.1%となり、日経平均の割安幅は1110円から1050円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1880円~-1050円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.20ポイントから2.19ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

1128日の米国はブラックフライデーで、株式市場は短縮取引です。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを490円ほど下回り、下値は想定ラインを480円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-400円(現在50850円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ+400円(現在49610円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にありますが、低下傾向にあります。一方、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は4日続伸しました。引き続き、1120日の高値(50575円)を終値で上回って、もみあいを上抜けることができるかどうかが、目先の注目点です。



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[2025/11/27]今後の日経平均の見通し

[市況]

1126日、NYDowNASDAQは上昇しました1127日の日経平均先物は、前日410円高で寄り付くと、午前中は270円高から670円高と上昇幅を拡げ、午後は370円高から580円高の間でもみあって、結局、450円高で取引を終えました。日経平均の終値は608円高の50167円で、出来高は19.02億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を4日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

1126日の米国市場では、11月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)が市場予想を下回ったことや、ベージュブックで雇用の鈍化が報告されたことなどが、12月利下げ観測を後押しするものと受け止められ、株買いにつながりました。もっとも、翌日が感謝祭の祝日とあって市場参加者は少なく、朝高後は膠着感の強い展開となりました。NYDowNASDAQ4日続伸しました。

1127日の日本市場では、12月利下げ観測を背景に前日の米株式市場で主要な株価指数が上昇した流れが引き継がれ、主力のハイテク株を中心に買いが優勢となりました。不動産や銀行、建設や電力といった内需株にも買いが向かい、相場を支えました。午後は上値が重くなりましたが、日経平均は3日続伸し、5万円台を終値で回復しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にありますが、25日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は+30.0%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+22.1%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と200日線の上にありますが、25日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線と200日線の上にあり、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+7.6ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が3810円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+14.0ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均7020円ほど割高であることを示しています

 

日経VI29.76と前日より低下し、VIX17.19と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回っているものの、30を下回りました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.48、米国-0.47と日本が3.01ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.21ポイント(日経平均換算で14900円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.97PBR1.69となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-2.9%で、こちらは3か月前より6.7ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と歩調を合わせて上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.2%となり、日経平均の割安幅は1280円から1110円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1880円~-1110円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.20ポイントから2.20ポイントと横ばいでした。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

1127日の米国は感謝祭の祝日で、株式市場は休場です。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを130円ほど上回り、下値は想定ラインを910円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-500円(現在50730円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ+300円(現在49450円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として30を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は弱い状態です。日経平均は3日続伸しました。引き続き、1120日の高値(50575円)を終値で上回って、もみあいを上抜けることができるかどうかが、目先の注目点です。



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Tuesday, November 25, 2025

[2025/11/26]今後の日経平均の見通し

[市況]

1125日、NYDowNASDAQは上昇しました1126日の日経平均先物は、前日400円高で寄り付くと、午前中は380円高から1160円高と上昇幅を拡げ、午後は1180円高から880円高の間でもみあって、結局、1080円高で取引を終えました。日経平均の終値は899円高の49559円で、出来高は23.22億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

1125日の米国市場では、9月の小売売上高や9月の卸売物価指数(PPI)コア指数、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、ADP週次雇用データ等、発表された経済指標や雇用指標がいずれも市場予想を下回ったことから、12月利下げ観測が強まり、株買いにつながりました。長期金利の低下も追い風となりました。NYDowNASDAQ3日続伸しました。

1126日の日本市場では、前日の米株高が投資家心理を上向かせ、AI関連株や好業績銘柄を中心に買いが優勢となりました。日銀の利上げ観測を受けて銀行株が買われたほか、原発再稼働への期待から電力株にも買いが向かいました。もっとも、日経平均が節目の5万円に近付くと、主力株に戻り待ちの売りが出て上値が重くなりました。日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にありますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+26.5%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+20.8%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線の下にありますが、200日線の上にあり、9日線を上回りました。

 

NYDowは、200日線の上にあり、9日線と25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線の下にありますが、9日線と200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+7.2ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が3570円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+13.4ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均6640円ほど割高であることを示しています

 

日経VI33.26と前日より低下し、VIX18.56と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回り、30に達しています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.54、米国-0.45と日本が3.09ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.28ポイント(日経平均換算で15650円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.70PBR1.66となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-3.1%で、こちらは3か月前より6.7ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と歩調を合わせて上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.5%となり、日経平均の割安幅は1880円から1280円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1880円~-710円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.25ポイントから2.20ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

1126日の米国市場では、79月期のGDP改定値、10月の耐久財受注、10月の個人所得、10月の個人消費支出(PCE)、10月の個人消費支出(PCEデフレーター)、10月の新築住宅販売件数、地区連銀経済報告(ベージュブック)のほか、ディアなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを550円ほど上回り、下値は想定ラインを1110円ほど上回りました。目先は、25日線(現在50160円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-200円(現在48900円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として30を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は弱い状態です。きょうの日経平均は大幅に続伸しました1120日の高値(50575円)を上回って、もみあいを上抜けることができるかどうかが、目先の注目点となりました。



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