Friday, July 02, 2010

[2010/07/02]日経平均の今後の見通し

[市況]
1日の、NYDowとNASDAQは下落しました。2日の日経平均先物は、前日比50円高で寄り付きました。前場中頃にかけて30円安まで売られた後、後場の初めに70円高まで買われる場面もありました。その後は方向感に乏しい展開となり、最終的に30円高で終わりました。日経平均は12円高で引け、出来高は15.9億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、870万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が若干縮小しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
1日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数が市場予想以上の増加となったことや、5月の仮契約住宅販売指数が前月比30%減と市場予想の13%低下以上に悪化したこと、さらに、6月のISM製造業景況感指数が56.2と3.5ポイント低下するなど、米景気の回復が足踏みしているとの見方が売りを誘い、NYDowは一時150ドルあまり下落しました。一方、スペインの国債入札が無難な結果となり、欧州の財政に対する警戒感がやや後退したこともあり、安値圏では値ごろ感からの買いが入り下げ渋って終了しました。
2日の日本市場では、朝方は値頃感から買い先行で始まりましたが、対ユーロで円高が一服する半面、対ドルでは円高懸念が強まり、直ぐに下げに転じ、昨日の安値を試す展開もありました。その後、ユーロ高から後場寄り直後には一時70円近くの上昇へ転じる場面もみられましたが、米6月雇用統計の発表を控えた週末要因もあり、大引けにかけては前日終値を挟んで方向感を欠く展開となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-27.3%とマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-10.3%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の下に在ります。
NYDowは200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。NASDAQは、9日線、25日線、200日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは赤信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.4ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は0.6ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.01ポイント割安ですが、ほぼ均衡しています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の1月-3月期のGDPは予想どおりの伸びで、米企業の1月-3月期決算発表は、概ね好調でした。経済指標では、5月の耐久財受注、5月の鉱工業生産指数、6月のニューヨーク連銀景気指数、6月の消費者態度指数、などは市場予想を上回りましたが、6月のISM製造業景況感指数、6月の消費者信頼感指数、6月のフィラデルフィア連銀景気指数、5月の小売売上高は予想以下となりました。5月の失業率は9.7%と減少したものの、雇用者数が43万人増と事前予想の51万人増より少なくなり失望売りが出ました。一方、住宅関連では、4月の住宅関連指標は好調でしたが、5月の住宅着工件数が予想以下となり、5月の新築住宅販売件数の水準は過去最低で、マイナス幅は過去最大となりました。4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は+3.8%で予想を上回りました。5月、6月の景気指標はまちまちで、住宅関連指標は悪化しています。中国の不動産高騰に伴う金融引き締めや、人民元弾力化の影響は、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の好決算が相次ぎ、資本不足問題は、一旦解消したものの、変って、ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生み、欧州の銀行を中心に、新たな金融不安が生じています。EU各国は最大7500億ユーロの緊急融資制度の創設で合意しましたが、根本的な解決には時間が掛かりそうです。さらに、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、世界景気の後退リスクも出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は 06月29日 0.5330% → 06月30日 0.5339% → 07月01日 0.5333%と落ち着いています。ちなみに、急落前の05月03日は0.346%でした。
シティグループの株価は1日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.78ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが16.2、PBRが1.09、ROEが6.7%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落にも関わらず上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)+0.9%となり、日経平均は80円の割高で、プラス幅が拡がりました。プレミアム値は、ここ1週間、+10円 ~ +260の間で推移しています。日本市場は、ユーロ高推移もあり、米国市場より強い動きとなりました。今夜の米国市場は、6月の雇用統計が注目されそうです。ソブリン・リスクの根本原因である財政健全化と景気回復の両立の道筋が見えないとユーロは簡単に戻らない状況に大きな変化は見られませんが、市場はこの材料にそろそろ厭きてきた面もあるようです。さらに、LIBORも落ち着いていますので、金融不安に関しては安心感も出てきたようですが、米国市場では、景気後退懸念が主テーマとなってきた面があり、経済指標や週末の雇用統計の発表がより注目されそうです。日経平均は年初来安値を更新しましたので、中期的には下落傾向が続く可能性が高まりました。出来高は低水準で、大底を感じることは出来ませんが、上海市場が長い下髭を付けて上昇した点や25日線乖離率が5.5%、サイコロジカルライン25%、日足が4空となったことなど、目先の底が近いことを示しています。今夜の雇用時計が予想以上に悪化しても、株価が織り込んだ後は、悪材料出尽くしで反発する可能性が高そうです。


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