日経平均の予想: <20100117>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Sunday, January 17, 2010

<20100117>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
米国市場では、低金利の中、経済指標の発表や10-12月期の決算発表は概ね好調だったものの高値警戒感もあり、材料出尽くし感から週末に大きく下げました。一方、中長期的には、米国を中心とする先進国の消費や雇用の低迷を背景に、EU加盟国の財政問題や個人ローンの不良債権化と商業用不動産価格の下げによる信用収縮傾向が、今後も景気の足を引っ張る原因となる可能性が残っています。
そのような環境の中、今週は、住宅着工件数や、景気先行指数、10-12月期の米企業の決算発表などが注目されそうです。
2010年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は日本市場が2.6ポイント割高となっています。日本市場は米国市場に比べ企業利益の減少が著しい点が割高の原因です。日経平均のPERは38.0で、S&P500のPERの14.6と比べると、企業のファンダメンタルに大きな差が有ります。長期金利差でこれを埋める形ですが、それでも割高感があります。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2010年GDP予測値(現在+0.7%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週の米国市場は前半は高値を更新し続伸したものの、週末に売られました。今週は弱含みな展開が予想されます。
②3月決算発表が終わり、日経225採用銘柄の今期予想増益率は前期が赤字の為、計算不能となりましたが、景気の低迷により今期ROE予想値は3.6%となっています。
③米国の長期金利は上昇し、日米の金利差は2.5%-2.4%と縮小ぎみで、為替は92から90円台と円高方向で推移しました。今週は、89から92円台が想定されます。
④今年9月に、OECDによる日米の2010年の実質GDP伸び率は日本が+1.8%となり、米国は+2.5%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.7ポイント分の割高となる弱気材料です。
⑤1月1週の外人は買い越しでした。1月2週も買い越しだった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち先週は①⑤が強気材料でした。今週も①③⑤がキーポイントと思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、4.5ポイント割安となり、先週比2.1ポイント割安幅が縮小しました。
一目均衡表では、雲の上に在り、200日移動平均線乖離率は+12.1%となり先週と比較してプラス幅が拡大しました。総合乖離率は+26.1%となりプラス幅が縮小しました。3つがプラスですので中期上昇トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は9日線、25日線の上に在りますので、短期的にも"青信号"です。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲と200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下にあります。短期的には"黄信号"で中期的には"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
先週の日本市場は、木曜までの米国市場が堅調に推移したことで上昇傾向が持続されました。今週は、週末の米国市場の下落から、安く始まりそうです。その後は本格化する昨年10~12月期の米主要企業の決算発表が焦点となりそうです。企業業績は総じて回復が見込まれますが、好決算発表後にインテルやJPモルガン・チェースが下げたことを見ると、好決算はすでに株価に織り込み済みと思われます。逆に、悪材料に敏感に反応する可能性もあります。目先は一服の可能性も有りそうですが、米国企業の今期の予想増益率は今のところ高い伸びが予想されていますので、株価指数が再び、9日移動平均を回復する動きとなればれば、堅調な展開が再開しそうです。


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