日経平均の予想: <20100111>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Sunday, January 10, 2010

<20100111>今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]
米国市場では、低金利の中、経済指標の発表は概ね好材料と評価され、先週の株価指標は、年初来高値を更新し上昇しました。一方、中長期的には、米国を中心とする先進国の消費や雇用の低迷を背景に、EU加盟国の財政問題や個人ローンの不良債権化と商業用不動産価格の下げによる信用収縮傾向が、今後も景気の足を引っ張る原因となる可能性が残っています。
そのような環境の中、今週は、10-12月期の米企業の決算発表が注目されそうです。
2010年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は日本市場が2.5ポイント割高となっています。日本市場は米国市場に比べ企業利益の減少が著しい点が割高の原因です。日経平均のPERは36.7で、S&P500のPERの14.4と比べると、企業のファンダメンタルに大きな差が有ります。長期金利差でこれを埋める形ですが、それでも割高感があります。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP、
③日米の金利差の拡大、
④日本の2010年GDP予測値(現在+0.7%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、
最近の動きを見ると、
①先週の米国市場は続伸しました。今週も堅調な展開が予想されます。
②3月決算発表が終わり、日経225採用銘柄の今期予想増益率は前期が赤字の為、計算不能となりましたが、世界景気の下ぶれにより今期ROE予想値は3.6%となっています。
③米国の長期金利は上昇し、日米の金利差は2.5%に拡大し、為替は91から93円台と円安ぎみに推移しました。金利差は2.5%が維持されていますので、今週は、92から93円台が想定されます。
④今年9月に、OECDによる日米の2010年の実質GDP伸び率は日本が+1.8%となり、米国は+2.5%と予想されていますので、この面では日本市場にとって0.7ポイント分の割高となる弱気材料です。
⑤12月5週の外人は買い越しでした。1月2週も買い越しだった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち先週は①③⑤が強気材料でした。今週も①③⑤がキーポイントと思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、6.6ポイント割安となり、先週比1.7ポイント割安幅が縮小しました。
一目均衡表では、雲の上に在り、200日移動平均線乖離率は+10.9%となり先週と比較してプラス幅が拡大しました。総合乖離率は+23.1%となりプラス幅が縮小しました。3つがプラスですので中期上昇トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は9日線、25日線の上に在りますので、短期的にも"青信号"です。
米国市場ではNY Dowは200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲と200日線、25日線、9日線の上に在ります。短期的には"青信号"で中期的にも"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
先週の日本市場は、円安ぎみに推移したことで上昇傾向が持続されました。今週は、徐々に本格化する昨年10~12月期の米主要企業の決算発表が焦点となりそうです。企業業績は総じて大幅な回復が見込まれ、市場の期待が高まっています。それだけに実際の決算内容が事前予想を下回るケースが相次げば株価の下押し材料となりかねないリスクがあります。日米市場とも上昇が続き短期的な過熱感が意識されていますので、悪材料に敏感に反応しそうです。ただ、好調な企業業績が確認されれば、各課指数は日米とも、緩やかな上昇基調は維持されそうです。為替で円安ぎみの推移が続けば日本市場も大きく崩れることはなさそうです。


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