日経平均の予想: July 2025

Thursday, July 31, 2025

[2025/07/31]今後の日経平均の見通し

[市況]

730日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました731日の日経平均先物は、前日比140円高で寄り付くと、午前中は30円高から390円高と上昇幅を拡げ、午後は270円高から540円高と上昇幅を拡げて、結局、540円高で取引を終えました。日経平均の終値は415円高の41069円で、出来高は21.30億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですが、買われ過ぎの水準です。

空売り比率は、5日平均を5日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

730日の米国市場では、パウエルFRB議長がFOMC後の記者会見で早期の利下げに慎重な見方を示したことから、金融緩和が米経済を支えるとの期待が後退し、主力株に売りが出ました。ただ、46月期の米実質GDP速報値が市場予想を上回ったことが伝わると、米政権の関税政策が経済を下押しするとの警戒感が薄れ、投資家心理の支えとなりました。結局、NYDow3日続落し、NASDAQは反発しました。

731日の日本市場では、前日の米ハイテク株高を受け、アドバンテストやディスコなど半導体関連株が買われました。また、日産自動車やアイシンなど個別銘柄に決算を手がかりとした物色が向かいました。日銀が金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定した旨が伝わると、指数は上昇幅を拡げました。日経平均は5営業日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にあり、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+17.4 %とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+7.3%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-3.8ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1560円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+3.6ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均が1480円ほど割高であることを示しています

 

日経VI22.45と前日より低下し、VIX15.10と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.6、米国+0.2と日本が4.8ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.62ポイント(日経平均換算で60100円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP速報値は前期比年率3.0%増で、市場予想の2.4%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

7月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月の耐久財受注、7月のミシガン大学消費者信頼感指数、6月の小売売上高、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、6月の鉱工業生産指数、6月の消費者物価指数、7月のニューヨーク連銀製造業景況指数、6月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、5月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、6月のISM非製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は102負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です。

 

米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.7万人増で、市場予想の11万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

7月の住宅市場指数、5月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、6月の新築住宅販売件数、6月の中古住宅販売件数、6月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。5月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.3%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7月の会合では利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、7月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.43PBR1.49となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.0%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は-4.1%で、こちらは3か月前より5.2ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.0%となり、日経平均は280円の割安から420円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-280円~+790円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.79ポイントから2.79ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

731の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数、6月の個人所得、6月の個人消費支出(PCE)、6月の個人消費支出(PCEデフレーター)のほか、アップル、S&Pグローバル、マスターカード、マイクロストラテジーなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを30円ほど上回り、下値は想定ラインを380円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ(現在41490円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-200円(現在40620円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は5日ぶりに反発しました。724日につけた高値(42065円)を上回ることができるかどうかが、次の注目点です。



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Wednesday, July 30, 2025

[2025/07/30]今後の日経平均の見通し

[市況]

729日、NYDowNASDAQは下落しました730日の日経平均先物は、前日比120円安で寄り付くと、午前中は50円安から250円安の間で上下し、午後は80円安から230円安の間でもみあって、結局、150円安で取引を終えました。日経平均の終値は19円安の40654円で、出来高は19.77億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を4日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

729日の米国市場では、四半期決算を発表したユナイテッドヘルス・グループやメルク、ボーイング、P&Gなどが下落し、指数の重石となりました。FOMCの結果公表や、マイクロソフトなどハイテク大手の決算発表を間近に控え、積極的な売買が控えられた面もありました。結局、NYDowは続落し、NASDAQ5営業日ぶりに反落しました。

730日の日本市場では、短期的な過熱感がやわらいだとの見方から買いが優勢となる場面もありましたが、FOMCの結果公表や日銀の金融政策決定会合など重要イベントを前に持ち高調整の売りも出て、指数は方向感なく推移しました。データセンター向け光ファイバー需要への期待から、フジクラなど電線株には買いが向かいました。日経平均は小幅に4日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+14.7%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+6.3%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドに青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-4.7ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1910円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+1.7ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が690円ほど割高であることを示しています

 

日経VI23.04と前日より上昇し、VIX15.98と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.6、米国+0.2と日本が4.8ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.70ポイント(日経平均換算で60810円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP確定値は前期比年率0.5%減で、改定値の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

7月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月の耐久財受注、7月のミシガン大学消費者信頼感指数、6月の小売売上高、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、6月の鉱工業生産指数、6月の消費者物価指数、7月のニューヨーク連銀製造業景況指数、6月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、5月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、6月のISM非製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は102負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です。

 

米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.7万人増で、市場予想の11万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

7月の住宅市場指数、5月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、6月の新築住宅販売件数、6月の中古住宅販売件数、6月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。5月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.3%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7月の会合では利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.21PBR1.47となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は-3.8%で、こちらは3か月前より3.9ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.7%となり、日経平均の割安幅は210円から280円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-280円~+1280円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.87ポイントから2.79ポイントに縮小しました。ドル円相場はやや円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

730日の米国市場では、7月のADP雇用統計、46月期のGDP速報値、6月の中古住宅販売仮契約指数、FOMCの結果公表およびパウエルFRB議長の会見のほか、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、イーベイ、フォード・モーターなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを310円ほど下回り、下値は想定ラインを280円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+300円(現在41050円近辺)が上値の目安に、25日線+100円(現在40180円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は4日続落しました。引き続き、25日線で踏みとどまれるかどうかが、次の注目点です。



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Tuesday, July 29, 2025

[2025/07/29]今後の日経平均の見通し

[市況]

728日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました729日の日経平均先物は、前日比30円安で寄り付くと、午前中は20円安から290円安と下落幅を拡げ、午後は340円安から100円安と下落幅を縮めて、結局、100円安で取引を終えました。日経平均の終値は323円安の40674円で、出来高は16.07億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

728日の米国市場では、主要な株価指数が高値圏にあるなか、FOMCの結果公表やハイテク大手の決算発表などを週内に控えて投資家の様子見姿勢が強まり、主力株に利益確定の売りや持ち高調整の売りが出ました。米国とEUが貿易交渉で合意したことは好感されましたが、既に株価には織り込まれており、影響は限定的でした。結局、NYDowは反落し、NASDAQ4日続伸しました。

729日の日本市場では、前週の大幅な株高の反動で、利益確定の売りが引き続き優勢となりました。また、前日に四半期決算を発表した日東電工や、外資系証券による投資判断の引き下げが伝わったレーザーテックが大幅に下落し、他の電子部品株や半導体関連株にも売りが波及しました。FOMCや日銀の金融政策決定会合などを週内に控えて持ち高調整の売りも出やすく、下値を拾う買いは限定的でした。日経平均は3日続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+15.3%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+6.4%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドに青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-5.1ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2070円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+1.8ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が730円ほど割高であることを示しています

 

日経VI22.71と前日より低下し、VIX15.03と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.6、米国+0.3と日本が4.9ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.77ポイント(日経平均換算で64120円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP確定値は前期比年率0.5%減で、改定値の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

6月の耐久財受注、7月のミシガン大学消費者信頼感指数、6月の小売売上高、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、6月の鉱工業生産指数、6月の消費者物価指数、7月のニューヨーク連銀製造業景況指数、6月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、5月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、6月のISM非製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は93負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です。

 

米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.7万人増で、市場予想の11万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

7月の住宅市場指数、5月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、6月の新築住宅販売件数、6月の中古住宅販売件数、6月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+3.42%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.23PBR1.47となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.0%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-4.0%で、こちらは3か月前より5.3ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.5%となり、日経平均の割安幅は90円から210円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-210円~+1280円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.84ポイントから2.87ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

728日の米国市場では、5月のS&Pコアロジック/ケース・シラー住宅価格指数や、6月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数、7月のコンファレンスボード消費者信頼感指数のほか、ボーイング、P&G、メルク、シスコ、スターバックス、ペイパルHD、ビザなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを530円ほど下回り、下値は想定ラインを50円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+300円(現在41010円近辺)が上値の目安に、25日線+200円(現在40200円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は3日続落し、ボリンジャーバンド+1σを下回りました。25日線で踏みとどまれるかどうかが、次の注目点となりました。



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Monday, July 28, 2025

[2025/07/28]今後の日経平均の見通し

[市況]

725日、NYDowNASDAQは上昇しました728日の日経平均先物は、前日比240円高で寄り付くと、午前中は250円高から290円安と下落に転じ、午後は160円安から450円安と下落幅を拡げて、結局、450円安で取引を終えました。日経平均の終値は457円安の40998円で、出来高は17.17億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

725日の米国市場では、米国と主要な貿易相手国との通商交渉が前進するとの期待が高まり、株買いにつながりました。また、直近の経済指標を見るに、いまのところ高関税政策は当初懸念されていたほど米経済を押し下げていない、との見方も、投資家心理を支えました。NYDowは反発し、NASDAQ3日続伸しました。NASDAQ5日連続で過去最高値を更新しました。

728日の日本市場では、前週末に引き続き短期的な過熱感が意識され、幅広い銘柄に利益確定の売りが優勢となりました。国内企業の四半期決算への警戒感が強まっていることも、投資家心理の重石となったようです。わけても、半導体関連株や、銀行株への売りが目立ちました。日経平均は続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+18.4%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+7.3%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドに青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、-3.9ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1600円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、+2.5ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が1020円ほど割高であることを示しています

 

日経VI22.85と前日より上昇し、VIX14.93と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.6、米国+0.2と日本が4.8ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.72ポイント(日経平均換算で62950円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の13月期のGDP確定値は前期比年率0.5%減で、改定値の0.2%減を下回りました。一方、13月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

6月の耐久財受注、7月のミシガン大学消費者信頼感指数、6月の小売売上高、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、6月の鉱工業生産指数、6月の消費者物価指数、7月のニューヨーク連銀製造業景況指数、6月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、5月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、6月のISM非製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は93負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です。

 

米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比14.7万人増で、市場予想の11万人増を上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標は:

7月の住宅市場指数、5月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、6月の新築住宅販売件数、6月の中古住宅販売件数、6月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+3.42%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策は:

FRBは米政権の高関税政策がインフレを招きかねないと警戒しており、利下げを急がない姿勢を示しています。ECBは、7会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.00%としました。日銀は、6月の金融政策決定会合でも0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER16.29PBR1.47となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.0%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-4.1%で、こちらは3か月前より6.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.2%となり、日経平均は790円の割高から90円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-710円~+1280円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.81ポイントから2.84ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

728日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを210円ほど下回り、下値は想定ラインを20円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-100円(現在41340円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-200円(現在40480円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は続落しました。目先、ボリンジャーバンド+1σを下回らずに推移できれば、上昇基調は維持できていると判断できそうです。



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Saturday, July 26, 2025

[2025/7/27]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、日米の関税交渉の合意と他の主要な貿易相手との通商交渉が前進するとの期待から、株価指数は週間で上昇しました。

週間変動率 NYダウ:+1.26%, NASDAQ:+1.02%, S&P500:+1.46%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、米政権の関税政策、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が3.61ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER24.0対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER16.5との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに3.61ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER40.5程度になる。又は、日経平均が101,950円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は60,490円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、60,490円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは、改善しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.3%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線の上を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+9.0%となりました。3ヶ月前に比べて-0.2%ポイント悪化しています。利益伸び率は-4.1%となりました。3ヶ月前に比べて-11.4%ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は低下し、日米間の金利差は2.89から2.79と縮小して、ドル円は148円台から145円台の範囲で円高方向に動きました。ドル・インデックスは週間で-0.80%下落しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.3%で、米国は+4.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.1ポイント劣ります。

  7月第3週は買い越しで、7月第4週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に2.7ポイント(日経平均に勘算すると1120円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に3.7ポイント(日経平均に勘算すると1530円程度)割高です。

 

日本市場はNYダウよりは強く、NASDAQよりは弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 14.9と低下しました。 日経 VI は 週間で 22.2と低下しました。米国市場は楽観的で日本市場は疑心暗鬼状態です。

 

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。総合乖離率は+22.6%となり、200日移動平均線乖離率は+8.5%となりました。3つの要因がプラスですので、中期トレンドには"信号“が点灯しています。

                                                        

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。

米国市場は、短期的には"信号”で、中期的にも"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は増幅しています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などもリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。

日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20251月につけた156円をトップに円高方向に転換しています。今週は148円台から145円台が想定されます。

 

今週の米国市場では、81日の関税導入の期限が迫るため、投資家は米国とその主要なパートナー国との貿易交渉を注視するでしょう。また、この週はマイクロソフト、アップル、アマゾン、メタなど、決算発表が最も活発な週となります。さらに、FRB、日本銀行などの中央銀行の重要な金融政策決定も予定されています。データ面では、第2四半期GDPの速報値、雇用統計、個人消費支出(PCE)、ISM製造業購買担当者指数(PMI)などが含まれます。世界的には、ユーロ圏のGDPとインフレ率、中国のPMIにも注目が集まるでしょう。

 

先週の日経平均は想定範囲を上振れしました。上値は880円上回り、下値は120円上回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+3σ (現在42170円近辺)で、下値がボリンジャーバンド+1σ(現在40590円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週の日経平均は、ボリンジャーバンド+2σを挟んだ動きが期待できそうです。


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