日経平均の予想: [2010/10/29]日経平均の今後の見通し

Friday, October 29, 2010

[2010/10/29]日経平均の今後の見通し

[市況]
28日のNYDowは下落しNASDAQは上昇しました。29日の日経平均先物は、前日比50円安寄り付き、前場は、ずるずると下げる動きとなりました。後場寄り付きに200円安まで売られる場面もありましたが、大引けにかけて、多少戻し、最終的に180円安で終わりました。日経平均は163円安で引け、出来高は21.5億株と増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、490万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡がりました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
28日の米国市場では、朝方発表の週間の新規失業保険申請件数が市場予想に反して減少したことで、雇用情勢への懸念がやや和らぎました。決算発表では3Mが売られ、シマンテックが買われるなどまちまちの動きとなりました。GDP発表や米中間選挙、FOMCといった材料が週末から来週にかけて相次ぐことから、積極的な売買は限られました。
29日の日本市場では、円高進行や、寄り付き前に発表された9月鉱工業生産指数の大幅な下振れなどが嫌気されて、朝方から売り優勢の展開となりました。決算が嫌気された主力株も多く、先物の売りも指数を押し下げる要因となり、9200円を割り込む場面も見られました。来週にFOMCを控えているなか、月末要因も重なって買い手控えムードは強く、その後の反発も限定的でした。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-12.5%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-7.9%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲を下回りました。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号から赤信号に変りました。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変りました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が16.9ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は1.7ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ2.1ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月のISM非製造業景況感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、9月米耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産指数、9月のISM製造業景気指数、などは予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は10月21日 0.2884% → 10月22日 0.2884% → 10月25日 0.2884% → 10月28日 0.2869%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は28日、変らずでした。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.17ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.4、PBRが1.06、ROEが6.9%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落率以上に下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.2%となり、日経平均は210円の割安で、割安幅が拡がりました。プレミアム値は、ここ一週間、-240円 ~ +20の間で推移しています。日本市場は、円高進行でドルベースでも米国市場より弱い動きが拡大しました。今夜の米国市場は、7-9月期のGDP速報値や、10月のシカゴ購買部協会景気指数が注目されそうです。9-10月に発表された米国の経済指標は、追加金融緩和期待から、予想以下でも売り材料にはなりにくい状況が続いていていましたが、ここにきて変化が見られます。米国市場は中期上昇トレンドにありますが、短期トレンドは黄信号となりトレンドは横ばいになってきました。一方、日経平均は三角持ち合いを下離れ、冴えない動きとなっています。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要ですが、米国市場は高値圏でのもみ合い状態に在り、、上昇が続くかどうか微妙な段階です。この先NYDowが25日線を割るか否かを注視することが必要です。ちなみに、現在の25日線乖離率は+1.0%で、まだ115ドル程度の余裕があります。日経平均の短期トレンドは赤信号が続いており、一目衡表の雲を下回りました。ボリンジャーバンドが拡がり始め、チャートとしては、一段と良くない形になりました。さらに、出来高が増えて安値更新銘柄が増加したことから個別銘柄に投げが出ている点は引き続き要注意です。為替も円高ぎみで、目先は弱気が支配しやすい環境ですが、騰落レシオやサイコロジカルラインが売られ過ぎを示すなど、その先の反転も近かそうです。


ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
右のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら=>世界の市場のリアルチャート

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。