日経平均の予想: [2010/10/12]日経平均の今後の見通し

Tuesday, October 12, 2010

[2010/10/12]日経平均の今後の見通し

[市況]
11日のNYDowとNASDAQは小幅上昇しました。12日の日経平均先物は、前日比60円高で寄り付きました。前場は徐々に値を下げる動きとなりました。後場も一段安となる動きが続き、最終的に180円安で終わりました。日経平均は200円安で引け、出来高は18.9億株と並みの水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、210万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス転換しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
11日の米国市場では、追加金融緩和への思惑が根強いほか、アルコアが先週発表した7-9月期決算が市場予想を上回ったことで、企業収益への期待なども相場を支える要因となりました。12日発表のインテルや13日発表のJPモルガン・チェースが好業績の連想から上昇しました。ただ、コロンバスデーの祝日で債券・外国為替市場が休場だったため、全般は小動きでした。
12日の日本市場では、連休中の欧米市場の堅調推移から、寄り付きこそ買いが先行したものの、その後は、円高に歯止めがかからないことや、中国における金融引き締め懸念などを背景に、先物主導で、徐々に下げ幅を広げていく展開となりました。指数寄与度の高いファストリテーリングが減益見通しを嫌気し大幅安となったこともマイナス材料になりました。後場に入り、81円台まで円高ドル安が進んだにもかかわらず、為替介入が実施されなかったことが失望感を誘う格好となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から赤信号に変りました。総合乖離率は-7.1%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-6.7%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が11.7ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は2.8ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ1.9ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、4-6月期決算発表内容は概ね好調でしたが、7-9月期は鈍化するとの見方が出ています。経済指標では、9月のISM非製造業景況感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、9月のISM製造業景気指数、9月の消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、9月の連銀景気指数、8月の鉱工業生産指数は予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、8月の米仮契約住宅販売指数、8月の米中古住宅販売件数は予想以上でしたが、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は予想以上だったものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州の銀行による金融不安は落ち着いたようです。しかし、根本的な解決には時間が掛かりそうです。G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は0.2897% → 10月07日 0.2891% → 10月08日 0.2891% → 10月11日 0.2891%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は11日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.18ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.6、PBRが1.09、ROEが6.9%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも関わらず大幅に下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.7%となり、日経平均は70円の割安で、割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-90円 ~ +210の間で推移しています。日本市場は、円高推移で、ドルベースでも米国市場より一気に弱い動きとなりました。今夜の米国市場は、インテルの決算が注目されそうですが、取引終了後の発表です。9-10月に入り発表された、米国の経済指標は予想以下でも、追加金融緩和期待から、売り材料にはなりにくい状況が続いていており、米国市場は、短期・中期とも上昇トレンドにあります。一方、日経平均は今日の下げで、一目均衡表の雲の中に入ってしまい、日銀の政策によるポジティブ・サプライズ効果は危うい状況です。日経平均の上昇の為には、今後も効果的な為替介入や米国市場の一段高などの支援材料が必要です。当面、今夜に発表されるインテルの決算が注目されそうですが、ここのところインテルは四半期決算発表後に下落に転ずることが多い為、相場全体的にも注意が必要です。為替も円高方向ですので、介入が無ければ、日経平均は米国市場より、弱い動きが続きそうです。為替介入しか、日経平均を大きく押し上げる要因は無さそうです。米国市場が一服すると、さらにまずい状況となりそうです。日経平均は一目均衡表の雲の上に戻らないと、押し目買いスタンスも取りにくいところです。


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